「とても良かった」ブリッジ・オブ・スパイ Tommyさんの映画レビュー(感想・評価)
とても良かった
第88回アカデミー賞6部門ノミネート作品(作品賞、助演男優賞、美術賞、脚本賞、作曲賞)ということで観ておきたくなり、観たらすごく良かった。
トム・ハンクスは結構役の演技に振り幅をもたせられるのが良いところで、その良い部分が今回よく出ていた。
やはり戦争、政治ものは映像で観てこそリアリティを感じられるのでたまに観ないとダメだなと思った。
例えば戦闘機で被弾するシーンは映像で観てこそ息を呑む緊張感を感じる。
プライベートライアン然り、ああいうリアリティのある映像を見せられると戦争について真剣に考えざるを得なくなる。
戦場のピアニスト程のショッキングな映像はなかったが、それなりの重さは十分に感じられたので良かった。
アベル役のマーク・ライランスという役者の演技がとても良く、初めて見た役者だったので目立っていた。彼が助演男優賞にノミネートされたようだ。
脚本も良かった。最初は法廷ものかと思ったが、その後にも国家間の橋渡し役として緊張感のある内容が続いた。
前半は陪審員や無知な大衆の無責任さが問われるなど、現代でも重要な様々なテーマが要所要所に潜んでいて良かった。
ただ、事実にインスパイアされた映画とはいえこれもあくまでアメリカ映画であるという中立の目線を忘れずに観ておきたい。
あと、内容には関係がないが、折角内容が良いだけに、日本版ポスターにセンスが無さすぎるのが非常に残念。