「かるたは恋と青春のスポーツだ!」ちはやふる 上の句 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
かるたは恋と青春のスポーツだ!
末次由紀の同名コミックの映画化。
原作が人気故、広瀬すずがキャスティングされた時凄まじく叩かれ、ファンから厳しい声も上がっているようだが、原作未読者から言わせて貰えば…
メチャクチャ面白れーじゃねぇか!
実を言うと、最初は大して興味無かったが、評判良くて段々見たくなってきて、と言っても劇場に観に行くのもこっ恥ずかしく、レンタルになるのを待っていたのだが、
待ってた甲斐があった!
夢に向かって情熱を注ぐ弱小部の奮闘、バラバラだった部員に育まれる友情、挫折、淡い恋模様…。
これらのワードに引っ掛かる人は必見のTHE青春ストーリー!
…でありながら、風変わりな特徴ある点が面白かった。
「シコふんじゃった。」「ウォーターボーイズ」「書道ガールズ!!」…異色の題材はいつだって映画にぴったりだが、今作は、
知られざる競技かるたの世界!
昔正月なんかにかるたをやった事は勿論あるが、アハハキャハハしながらのただの遊びでしか無かったが…
こ、これはもうスポーツだ…!
あんなに札を取るのが速いのか…!
これほどまでに体力も集中力も使うものなのか…!
勝手に文学部と決めつけていたが、あれなら運動部のような体力作りも頷ける。
なるほど、これが少女漫画原作でありながら熱血少年漫画風と言われる所以か…。
実写化により、ハイスピードカメラとスローモーションを駆使し、臨場感は格別。
競技かるたに詳しくなくても丁寧な説明はあるし、詠まれる歌の一句一句も耳に心地よい。
原作未読なので無知を承知で言うが、
てっきりヒロインの千早がひょんな事から入部してかるたの面白さに目覚めると思っていたら、最初からかるたバカ娘!(笑)
ドン引くくらい、寝ても覚めても目の前にあるのも夢も、ぜ~んぶかるた!
美人の外見とは裏腹に猪突猛進、熱中し過ぎて試合の後は白目剥いて“死亡”(笑)
しかし、読み札の音を瞬時に聞き捉える天性の聴力の持ち主。
そんな魅力的なヒロインを演じるのは大変なプレッシャー。
原作のイメージに似てる似てないは分からないが(何かで、原作では金髪の今時風の女の子の千早が競技かるたをするギャップがいいと言ってたけど)、演じた広瀬すずはとても良かったと思う。
試合中の凛とした目、吹き出る汗ですら美しい。
アンチ派多いが、「海街diary」や本作や現在公開中の「怒り」を見れば陰口は叩けない筈。
千早に密かに想いを寄せる幼馴染みで、ここぞという時にかるたの神様に見放される太一だが、これは彼の成長物語でもある。全く関心無かった野村周平だが、初めて印象に残った。
百人一首など日本文化が大好きな奏を演じた“君の名は”? 上白石萌音。
ちょっとウザキャラだが、実は意外と強い“肉まんくん”。
そして、“机くん”。かるたの腕も最も弱く、孤立していたガリ勉くんが心を開く様に、見ていて瞼が熱く…。
若いキャストが輝きを放ち、彼らが特訓して挑んだガチかるたは必見!
この「上の句」は、チームとして団結し、全国大会出場を果たすまで。
クライマックスはまだ予選なのに、もう白熱!
2時間あっという間だった。
「下の句」はいよいよ全国大会。そこで待ち受けるのは…
また、本作では出番は僅かだったが、真剣佑演じる新がどう物語と三角関係に入るのか?
そして、ラストの台詞は…!
「下の句」のレンタル開始日まで待てな~いッ!
> メチャクチャ面白れーじゃねぇか!
ですよね、ですよね!
しゅうへいさんへのコメントでも、書いたけれど、こうやってこの映画のコメント書くチャンスくれて、ありがとうございます!! 近大さんとしゅうへいさん、もう、ナイスコンビネーションなんだから!!
そして近大さんのレビュー、ナイスですね。レビューのリズムが、本編のリズムとめっちゃ一致!!