「信念を胸に生きること」64 ロクヨン 後編 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
信念を胸に生きること
クリックして本文を読む
"64‐ロクヨン‐" 二部作第2部。
原作は既読、NHKの連ドラ版は視聴済みです。
前編で登場人物の想いや背景を描き切っていたからこそ、ロクヨンの模倣事件が勃発する本作のスリリングさと、全ての伏線が集約した慟哭の結末に向けてのノンストップ感が活きて来るんだと、二部作ならではの構成に舌を巻きました。
組織や立場に翻弄された三上の苦闘は、かなりの痛みと苦さを伴った結末を迎えました。己の信念のままに行動した彼の姿に胸を打たれました。行方不明になった娘の件は解決してはいませんが、決して希望が消えたわけではない。妻と共に未来へ踏み出したラスト・シーンが印象的でした。
[余談]
永瀬正敏の演技に心を奪われました。
連ドラ版の段田安則もかなりいい演技を見せていましたが、それに負けず劣らずの名演だなと思いました。
娘を奪われた悲しみ。頼りにならない警察への失望。今もどこかで生きているであろう犯人への怒り。
それらがない交ぜになった執念の業に、止めどない涙が溢れました。さりげなく張られた伏線に、さらに大粒の涙が。
[以降の鑑賞記録]
2019/04/28:MBS(地上波初放送)
※修正(2023/10/10)
コメントする