「私が最も嫌悪感を持つタイプの、感動の押し売り映画」ラ・ラ・ランド ch229さんの映画レビュー(感想・評価)
私が最も嫌悪感を持つタイプの、感動の押し売り映画
そのむかし劇場公開中に観に行って、あまりにも期待外れすぎて失望し、レビューも書かずにいたわけですが、先日テレビで放送されツイッターなんかでもまあまあ話題に上がっていたので、改めて私が期待したこと、感じたことを書いてみたいと思います。
私は生涯で観た映画の中での最高傑作を聞かれれば瞬時に「ダーティダンシング!」と答えます。
ダーティダンシングこそダンス映画の醍醐味を凝縮した最高傑作!なぜか日本ではもうひとつヒットしなかったわけですが、私の中では唯一無二のベスト映画なのです。
ほか「フラッシュダンス」なんかも印象深い作品のひとつだったりして、その流れで意識してダンス映画やミュージカル映画を漁っていた時期もあったのですが、琴線に触れるものはなかなかなく、ジャンルまるごと大好きってわけでもないのですが、やはり評判のいいダンス映画なんかは気になっちゃうわけですね。
そういうこともあって、日本公開前からアカデミー賞候補!と大評判だったラ・ラ・ランドはとても期待値が高く、公開とほぼ同時に観に行ったわけなんですが・・・
まあ観た人にはわかると思うんですが、序盤を除けばまったくそういう映画ではありませんでした。
それでもクライマックスには最高に痺れるダンスシーンで絶頂の盛り上がりがあるのだろう、という微かな期待もあったのですが、そういうこともなく。
違う意味で楽しめる映画であればまだ良かったのですが、まあ過ぎたことをくよくよと感傷に浸り、雰囲気を盛り上げて泣かす、という私が最も嫌悪感を持つタイプの、感動の押し売り映画だったことで、深く失望しました。
まあひとつ自分なりに反省すべき点としては、ニューシネマパラダイスを彷彿とさせるような映画である、というような事前の情報はキャッチしていたにもかかわらず、期待してしまったことです。
先述の「過ぎたことをくよくよと感傷に浸り、雰囲気を盛り上げて泣かす、という私が最も嫌悪感を持つタイプの、感動の押し売り映画」とはつまり、ニューシネマパラダイスがその典型的な象徴例だったのです。
そこで気づくべきだったかもしれない。
そしてこれらの映画を観てゲロを吐きそうになる私は、人格的に問題のある人間なのかもしれませんね。
でも、率直に言いまして雰囲気で感動を押し付けるタイプの映画は本当に偽善的で不誠実な作品だと思います。
あーそうなのか、こういうのが映画通には評価されちゃうのか、ふーむ・・・と、考え込んでしまうのでした。