「ものすごいテクニックでつまらない曲を演奏するミュージシャンのような映画。」ラ・ラ・ランド Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
ものすごいテクニックでつまらない曲を演奏するミュージシャンのような映画。
ライアン・ゴズリングさんが主演している恋愛映画『ブルーバレンタイン』が、すごく現実的でインパクトがあり深く印象に残る映画だったので、それなりに期待していたのだけれども残念ながら期待外れだった。
予告編は面白そうだけれど、そこのシーンの映像だけが素晴らしいのであって、つながっている本編の方がいいというわけではなかった。
確かに映像はすごく美しくて、ミア役のエマ・ストーンさんもきれい。
セバスチャン役のライアン・ゴスリングさんもかっこいい。
二人共ダンスはキレキレで歌もうまい。
編集テクニックや表現方法もすごい。
実際、映画賞もたくさんとっているし、出演者とか映画テクニック的なものはすべて素晴らしいと言ってもいいと思う。
だけど内容がスカスカでほとんどないに等しい。
ものすごいテクニックでつまらない曲を演奏するミュージシャンのような映画でした。
登場人物はほとんどミアとセバスチャンの二人だけ。
なぜか他の人物は編集テクニックでただのエキストラのようにしてしまっていて、人形のように動きを止めているシーンも多かった。
基本的に二人の世界だけをずっと描いていくのだけれど、すごく深く突っ込んでいるわけでもなく上辺だけを追っかけるのみ。
二人の人物像を掘り下げていくわけでもなく、最後までステレオタイプのキャラクターで、結局二人共どういう人物だったのかよくわからなかった。
成功物語のようだけれども成功物語に不可欠な勝負所や、勝利のシーンも編集ですっとばしていてよくわからない。
ラブコメのようにくっつくまでの過程を大事にするのか?と思ったけど、何の問題もなくすぐにくっついてしまって、まったく盛り上がらなかった。
最後は定石通りケンカ別れの後、またくっついて感動させて終わるのだろうと思っていたら、あっと驚く編集と映像が入った後、いきなり終わった。
その編集と映像には驚いたけれど、結局はまったく面白くないどこかで見たような終わり方になった。
最後の最後、いきなり終わる感じの前のシーンだけは『ブルーバレンタイン』みたいでよかったかな?