「The Sexiest Musical Ever」ラ・ラ・ランド みふゆさんの映画レビュー(感想・評価)
The Sexiest Musical Ever
The Sexiest Musical Ever
完全オリジナルの新作ミュージカルなのに、なんだこの不朽の"名作感"。ハリウッド映画史の上を堂々と闊歩するかのようなこの"オーラ"。
名作感 〜あの懐かしさ〜
"名作感"は、作品の設定が斬新でない点に尽きると思う。ジャズにタップ、ロックやクラシックと複数ジャンルを混ぜ合わさっている点。80年代のロサンゼルスというまさに挑戦と夢の象徴が舞台である点。愛にもがく若き美しいラブリバーズの物語である点。
もうこれ以上のミュージカル要素はない、と言い切りたくなるほどに満載で、きっとこれが"どっかで見たことあるあの名作感"の所以。
オーラ 〜あの臨場感〜
"オーラ"の出どころは、あの嫉妬もできないほどハイクオリティーな歌と踊りを、長回しで見せつけた映像テクニック。
細いカットで分けない長回しは、ライブのような臨場感をうみだす。レミゼラブルもそうだったけど、ミュージカルでこれをされてしまうと、その臨場感というか自信というかに、見てるこっちはただただ圧倒されるしかなくなってしまう。
『セッション』と『ララランド』
デイミアン・チャゼル監督の前作『セッション』は、まさに永遠と打ち続けるドラム音の如く激しくて、私には息する瞬間すら与えてくれなかった。
翻って今回の『ララランド』は展開と表現の紡ぎ方が丁寧で、こっちの心拍数や呼吸の速度を汲み取ってくれるようで、その自然な波の中で、私は安心して五感を作品に預けられた。
"ララランド"の意味
最後のフラッシュバック(イマジネーション)が、とくに記憶に残った。この5分間があって、この映画にこのタイトルなんだと。
二人が一緒にララランドへたどり着けたことを、セブの小さな頷きが教えてくれた。
みふゆ
今まで「ラ・ラ・ランド」の意味など考えませんでした。今度、調べてみます。
レビューを書かれている作品が私も好きなものばかりで、何か安心してレビューを読むことができます。