「かなり怖いスリラー」リグレッション 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)
かなり怖いスリラー
エマ・ワトソンは2年前の映画「コロニア」あたりから、ホグワースのハーマイオニーの印象をすっかり脱して、大人の女性を堂々と演じられるまでになったが、本作品では更に複雑な役を美しくこなしている。
イーサン・ホークは映画「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」では無口で武骨だが思いやりのある夫を好演していたが、本作品ではうって変わって熱血漢の刑事役を演じている。この人は大変に達者な俳優さんで、本作でもあっという間に感情移入させられてしまった。
ここから先は何を書いてもネタバレになりそうなので迂闊なことは書けないが、ひとつだけ間違いなく言えることがあるとすれば、人は見た目に弱い。そして美人に弱い。
仕掛けは見事という他なく、スクリーンのこちら側の観客として冷静に観ているつもりが、いつの間にか映画のペースにはまってしまっていた。観終わって思わず、してやられたと唸ってしまう作品である。こういうタイプの映画は初めてで、かなり面白かった。もう一度観たいとは思わないが、一度は観た方がいいと思う。
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