「ニコケイ、中途半端な復讐して、ぼけますからよろしくお願いします。」ラスト・リベンジ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ニコケイ、中途半端な復讐して、ぼけますからよろしくお願いします。
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監督/脚本ポール・シュレイダー×主演ニコラス・ケイジ。マーティン・スコセッシ監督作『救命士』以来のタッグ。
シュレイダーは多くの名作の脚本を手掛け、ニコケイも多くのヒット作に出演。
そんな2人が再タッグを組んでさえも…。
引退勧告を受けたCIAのベテラン・エージェント、エヴァン。
ある時彼は信頼する部下のミルトンから、かつて自分を拷問したテロリストの所在を突き止め…。
これだけだったら単なるリベンジ・サスペンス。
そこにプラス要素として、
エヴァンに忍び寄るある病。
認知症。
自分が廃人になる前に。復讐を果たそうとするが…。
しかしながら、それが作品を面白くしているとは言い難い。
面白味にも盛り上がりにも欠けた凡作。
ツッコミ所も多々。
変装して宿敵に近付くが、ただ眼鏡かけて付け髭したニコケイじゃん。
遂に顔を合わせた宿敵。が、相手も重い病に。
こっちも病、あっちも病。なので、派手な大立回りなんてあったもんじゃない。
スリリングなやり取り…とは言い難い会話をして、それで終わり。アレ、復讐するんじゃなかったの…??
少なからずポリティカルな作風や社会派的なテーマも込められているようだが…、
中途半端なサスペンス/アクション、シュレイダーの真面目な部分が合わず、ちぐはぐ。
えっ?…ってくらい、呆気ない終わり方。
シュレイダー曰く、勝手に編集されて作品が自分の手から離れてしまった、と語っているが、そもそもの企画自体マズかったんじゃ?…と、思わずにいられない。どんな意図で本作を作ろうとしたのか、シュレイダーに伺いたいくらい。
結果的に、他愛ないB級ニコケイ映画。
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