「ニコラスもとうとうケイ爺に」ラスト・リベンジ スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
ニコラスもとうとうケイ爺に
正直、映画そのものの出来は微妙と言わざるを得ないかなと・・・。
とは言え、まあこれもある程度想定内と言うか、もう近年のニコラス・ケイジ主演作品は、期待するだけ野暮ってものでしょう。
でも、分かっていてもついつい手を出してしまうんですよねぇ、ニコラス目当てで・・・。
やっぱりそれだけ魅力的な役者なんでしょう。
結局この映画は、内容よりもちょっと難しい役どころを演じたニコラス・ケイジの演技を楽しむのが吉でしょうね。
彼の演技自体はさすがだなと思えましたし。
しかしニコラスもとうとう認知症ですか~(勿論役の上ですけど)、でも老けメイクが妙に似合ってましたね(笑)
しかもアル中と言う設定でしたので、こんな役はもう得意中の得意、病と戦いながらテロリストとも戦う難しい役どころを、見事に演じていたと思いましたよ。
ただ、認知症が進行するのがいくらなんでも早すぎたような?
それ以外にも全体的に見せ方がもう一歩でしたね、ニコラスはいい演技してたので勿体無かったです。
それにしても、記憶が薄れていくと言うのは、ホント怖いですね・・・。
ところでニコラス演じるベテランCIA捜査官レイクは、CIAに裏切られた、見捨てられた、CIAは決して仲間を見捨てないと思っていたのにと、かなりの恨み節だったようですが、医者も紹介してましたし、至極当然の措置をとっていたと思うんですけどねぇ。
普通に考えて認知症患者をいつまでも雇っておけるはずもないですし、しかもずっと私怨から追い続けているテロリストだけに拘られても・・・。
CIAも病でもうすぐ死ぬテロリストに構ってる暇はないでしょうし、こう言っては何ですが、ただただレイク捜査官の暴走に付き合わされただけの90分強だったような・・・。
極め付けは宿敵バニールと対峙したシーンでしょう、映画史上類を見ないあの対決シーンは、ある意味必見、ヨボヨボ過ぎて、不謹慎ながら笑いさえ出てしまいました。
アントン・イェルチンが演じた新人エージェントの行動も、いまいち説得力がなかったですね、もう少し何かあると思いましたが。
しかし本物のアントンの事故死は、ホント悲しい限りです、ご冥福をお祈りいたします。
劇中のリアル過ぎるラストも含めて、何とも言えぬ重い気分になってしまった作品でした。