劇場公開日 2015年6月5日

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「”足元(靴)を見る"意外にシビアな面がある。本作はヒューマン・コメディではないと思う。」靴職人と魔法のミシン さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0”足元(靴)を見る"意外にシビアな面がある。本作はヒューマン・コメディではないと思う。

2015年8月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

従来のことわざと意味は違いますが、本作はそんな"足元(靴)"で人を判断する、非常にシビアな、シニカルな面がある作品だと思いました。
というのは、靴を履いて変身!しても、外側は靴の持ち主になりますが中身はマックス(アダム・サンドラ-)のままです。
なので変身後のマックスは、"この持ち主だったらこうするかも?"というイメージで演じていることになります。そこにチラチラと人種や性別や見た目に対する偏見が、見え隠れするんですよ。
なんか嫌な感じがするんです。
アメリカでむっちゃ評価が低いのは、そのせいかも?と思ったりしました。

マックスは他人の人生の一部を経験し、そしてトラブルにも巻き込まれ、結果として職人としての誇りを取り戻すか?新な人生を見つけるか?彼女できんのか?人生悟るのか?ポジティブなテーマがあんのか?ファンタジー?サスペンス!?なんて思ってると、急に鋭角なカーブを強引に曲がり始めます!わ、わ、わ、わ、わ?となりました。

本作がもしコメディだとするなら、かなりブラックだと思います。が、私には、奇妙奇天烈なお話に思えました。
ここを話すと、ネタバレになってしまうので自粛します。

隣の床屋さんに、スティーブン・ブシェミ
失踪した父役に、ダスティン・ホフマン
いつも彼女に靴の修理を出させるイケメンに、ダン・スティーブンス
靴を預けにくる横柄なお客さんに、メソッド・マン
悪い地上げ屋に、エレン・バーキン
このキャストで、映画好きの皆さんは「うむ、一癖二癖あるな?」という匂いを嗅ぎ、"ヒューマン・コメディ"なんていう説明を鼻で笑ってしまうと思います(笑)
途中でオチは分かるのですが、急カーブで振り落とされる方がいるかも知れません!

振り落とされた場合には、ヒロインさえも喰ってしまう、還暦過ぎのエレン・バーキンのいい女っぷりに思いを馳せるか、ヒップホップグループのWu-Tang Clanのメンバーのメソット・マンが、意外に演技できるじゃん!とか思いながら彼の曲を聴くのもいいかも知れません。

因みにWu-Tangって武闘って意味からも分かる通り、かなりカンフー映画に影響を受けたグループです。
因みついでなんですが、Wu-Tang Clanの主導権を握っているRZAは、"アイアン・フィスト"なる困っちゃうカンフー映画の、原案、脚本、音楽、出演、監督をしています。ええ、もちろん観ましたよ!困惑です(笑)

お菓子のピーチ・コブラーの"コブラー"には"不器用な職人"という意味があって、そんな不器用な人にも作れるほど簡単ですよってことです。
本作の原題「The cobbler」は靴職人、靴修理屋の意味だと思いますが、同時に"不器用な職人"という意味もあると思う。背中を丸めて古いミシンに向かうマックスには、この"不器用な職人"がぴったりです。なので一般的に使う「repair」にはしてないんだと思う。
頼むよ、邦題!

PS
でも、女装の男性が履いていた赤いピンヒールって、ミシン使って直す場所がないと思う。ソール圧着でしょう?なんてことは言ってはダメですよね?
あと全く関係ないんですが、20年以上前にアダムス・サンドラーが出した"お笑いCD"なるものが、何故かうちにあります(笑)

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さぽ太