劇場公開日 2016年3月5日

  • 予告編を見る

「みんなで歌ってますけど裏ではこんな事思ってます…というのが怖い」桜ノ雨 たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5みんなで歌ってますけど裏ではこんな事思ってます…というのが怖い

2021年9月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

単純

『うみべの女の子』のウエダアツシ監督の作品ってことに惹かれて鑑賞。合唱部の不協和音が怖すぎる。

たぶん合唱部って自分の知っているほど可愛らしいものじゃなくて、木村くんみたく「こんなにハードなの…」っていうのが第一の感想。そりゃ体力もいるしチームワークの中での役割みたいなものが必要になるから、文化部なんて名ばかりなのだろうけど。そんな中での彼女たちの話。観てから気づいたけど、実は『桜ノ雨』が歌いたいけど歌えない状況というところから始まる話。当然だろ…という空気を何となく出しつつ、ハードな曲で練習するけど合わない…みたいな事の繰り返し。その時点でなんとなく合わないのは感じていた。

なんというか、ご都合主義が勝ってしまっただけの映画に写ってしまった。実際、練習のシーンはどこが悪いのか分からないし、難しそうだけど各々やっている。でも裏では「いやあれじゃ…」と言っている。その中でイエスもノーも言わない未来は逆にフラットすぎるというか、どのスタンスなのかすら分かりにくい。終盤の叫ぶシーンも編集が悪いのか間髪入れずに話し出したので、少し戻してしまった。要素としては悪くないが、そのバランスは良くないように思える。

さて、キャストはと言うと…これまた微妙なところ。山本舞香の寡黙な雰囲気は今のイメージからかけ離れているし、久松郁実の起用に納得もいかない。その中でもやはり浅香航大はいつ制服を着ても似合う。さらに、セーラー服を着た三浦透子もかなりレアな気がする。帽子を被らなければ運転もしない。主人公に刺激を与えるいい役どころをしている。そうした部分でもなかなか難しいものもあり、ちょっとダメに写ってしまった。

要素やアプローチに対して上手くまとめきれなかったのだと思う。ただ、合唱部の描写はかなり克明で勉強になった。歌を歌うのもそう簡単じゃないのね…。

たいよーさん。