「演劇をまなぶドキュメント」幕が上がる、その前に。彼女たちのひと夏の挑戦 さくらさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5演劇をまなぶドキュメント

2016年3月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

通向けドキュメンタリー。
ファンもしくは映画関係者から好まれる傾向にあるだろう。

演劇をまなぶということ。
頭だけで考えても行動が伴わない。
基礎訓練なのかもしれないとふと思う。ピアノの練習のように。根気よく毎日数時間練習を続ける。毎日毎日。そのように演劇の基礎訓練を経てこそカメラや舞台に立つことができるだけの力が身につくのかもしれない。
偉大な指導者や指導力のある先生に恵まれることは条件の1つではあるが、基礎訓練という前提ありきだ。

先達はどのジャンルにおいても物慣れており、また、自分が指導する立場になると自然と身についた技術を発揮できるものだけれど、黒木華が演技をみせる場面を見た後でももクロのメンバーが一様に「こわくなった」「寒くなった」と言っていたのが先輩の本物に触れた瞬間の感想だろう。

「幕が上がる」本編では、実際に演技という点では高い評価をつけるのは難しい。

何人もの指導者がいても、カメラの前やステージに立つことになれているももクロであっても、演劇はそれだけ奥深いものであったということだろう。

まなぶというものの本質がそこにあって、指導力だけではどうにもならない。経験とは蓄積するものなのだ。からだも記憶する。スポーツやピアノやバレエのように。レッスンによってからだそのものが記憶していく。演劇にもそのような作用がはたらいているのだとおもう。
一般的に仕事で働くときにも同じような法則がはたらいているのかもしれない。

ドキュメンタリーとしては、素の高校生の生活を取り戻しているようなメンバーの姿は微笑ましい。まるでほんとうに部活動にいそしんでいるかのようで。

さくら