スリーピング・ボイス 沈黙の叫びのレビュー・感想・評価
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そ こに人々が生きていた。そして、血が流れた。
スペインの内戦後、フランコの独裁政権下で何が起きたのかを、女性の目線で描いている。 拷問、不当逮捕、法的根拠のない死刑。 誰も信用できない社会で、信念を曲げずに抵抗する姉。 おびえながらも、姉のためにできることを必死にやり、生き抜く妹。 極限の状況に、もし自分が置かれていたなら、どんな生き方をしていたのか、と思わず考える。 混迷を極める勢力図。 各国は支援を見合わせ、ソ連(ロシア)だけが積極的に介入する。 いくつかの違いはあれ、現在のシリア内戦との類似性に驚かされる。 80年の時を経て繰り返される歴史を知るためにも、 この映画の価値は決して小さくないものだと感じた。
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まっすぐ生きる女性達
大きな瞳のペッピーノは最初はおずおずと、でもしっかりと自分で歩いていけるひとだ。 姉のオルテンシアは理論家で信念の人だ。 彼女は厳しい刑務所内で、仲間を励まし、読み書きを教え、子ども達のために抗議する。 ペッピーノはカトリックの信仰をもつ人としてえがかれていたが、彼女は自分の愛にまっすぐに生きた。 内戦の傷は社会の至る所にある。今もきっと苦しみの中に生きる人がいるのだろう。 スペインの深い闇、そして闇が深いほど希望の光は眩しい。暗くてつらい映画だけれど不思議に愛や希望の明るさを感じた。
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