「プリクエル第二章」機動戦士ガンダム THE ORIGIN II 哀しみのアルテイシア いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
プリクエル第二章
ファーストガンダム前日談の2話目である。やはりファンが多いと話の深みを求めるのはSTARWARS然り、必然なのかもしれない。
ストーリーのアイデアは、色々なガンダムフリークの人達、もっというと一家言持ってるヲタクから得たモノで構築していったというから、元々のストーリーの細部は違ってくるのは仕方がないこと。だから、エンドロール後の次回作紹介に続いて、ガンダムが初めて立つシーンが新しくCGで描かれていたので、もしかしたらオリジン後もリメーク?ってことかも。
今回は名前に翻弄されてしまう人がいるかもしれない。シャア・アズナブルがキャスバル兄さんとは分かっていても、その間にもう一つ名前があるっていうのは、アニメ作品での人物構成としては確かに斬新である。アルテイシアがセイラ・マスと改名したのだから、確かにシャアだってエドワウ・マスという名前になることが自然なのだ。しかし、その部分こそ、今回の話の主題なのではないだろうか。多感な青年時に、常に自分や妹を付け狙う大人がいて、勿論利用しようとする人間もいる。殺されかける時もある中で、心の支柱にしていた母親の死、沢山のイレギュラーが降り注ぐこの時代の名前を忘却の彼方へ捨ててしまいたい思いが、エドワウ・マスという名前に全てひっつけて捨ててしまうことを選択したのだろう。
ただ、残念なのはその揺れ動く心情をもっと丁寧に演出してくれたならば、感情移入もしやすかったのではないだろうか。ラスト、唐突に妹に別れを告げ、ジオンの士官学校に入る件は、描き方の雑さが勿体ないと思わざるを得ない。
作品時間の制約もあり、肝心のモビルスーツ(モビルワーカー)開発の件も同時進行しなくてはならないから、仕方がないといえば仕方がない。
1話目も思ったが、CGの使い方がとても絶妙であり、モビルワーカー戦闘シーンはその動きの滑らかさに、魅入った。ファーストガンダムにはない醍醐味の一つである。