黄金のアデーレ 名画の帰還のレビュー・感想・評価
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オーストリアって…返還って…
観終えた初感は、
オーストリアのさらなるイメージダウン。
もともと、オーストリアという国はずるい国だと思っていたけど、そのイメージは更に悪化。
ナチス=ドイツというイメージですが、ヒットラーはこの映画の主人公と同じオーストリア人であり、オーストリアはナチスの侵攻を無条件で受け入れナチス化した国なんですよね。
それを隠して、被害者面している国と理解してましたので。
しかし、この映画は一国からの個人資産の国からの返還にスポットライトをあててますが、『個人資産』だから映画にする価値があったのでしょうね。
最高裁のシーンでオーストリア側の
日本、その他の国から同様に返還で訴えられる危険性の発言があり、一蹴されてましたが、ボストン美術館に大量に流れていった浮世絵、エジプトのピラミッド発掘で大英博物館に流れていった発掘品の数々の強奪品(と言われるのかわかりませんが)の返還の事を言われていたのかなぁと思うと考えさせられました。ピラミッドの発掘品はエジプトが返してくださいと言っていても返してもらえてないんですよねぇ。
ただ、政情不安定な国に返して、テロリストに破壊されると後世に残せないし。
難しい問題ですね。
一見の価値ある映画ではあると思います。
Woman In Gold
時系列が変わりますが、テンポが良いので飽きることなく見終えました。
ミケランジェロプロジェクトもそうでしたが、全て米国視点です。
あまり公にはならない歴史に触れた実話です。少々中だるみこそ感じましたが、終盤は鳥肌が立ちました。
素晴らしい作品だと思います。
いろんな事がギュッと詰まった感動の物語
ヒトラーの野望によって未だ所有者の元に戻らない芸術品は10万点に及ぶという。その1つ、オーストリアの至宝として政府が決して手放さないクリムトの最高傑作『黄金のアデーレ』を齢82歳の女性が人生のケジメ、晩年を駆けて国家と闘う感動の実話。
戦後70年にして未だ残る傷跡と当時の悲劇に涙。ヘレンミラーでしかないという名演。いろんな事がギュッと詰まった感動の物語。お勧めです。
なんという上質の映画!
ヘレン・ミレンの
なんともチャーミングなことったら!
清く正しく美しく
そんな品格とともに
なんとも愛らしい…
胸を引き裂かれるような
悲しくつらい過去に
勇敢に向き合うマリア。
でもヒステリックになることなく
ユーモアを絶やさない、そんな姿が
この映画を
より肌触りのよいものに
仕立ててくれているように思います。
戦争という
大いなる過ちの爪痕…
当事者にとってはまだ
生傷なのかもしれません。
われわれ日本人の周辺にも
同じような事案がまだくすぶってることに
想いを巡らすのでありました…
良作!さすが名女優ヘレン・ミレンのはまり役!!
今年は、戦後70周年の節目。
ナチスドイツからの美術品奪還ものとして、先に公開されたミケランジェロ・プロジェクトも記憶に新しい。
本作は、現在の進行と過去回送とで交互に展開していく、ある意味よくある展開ぶりだが、ストーリーと素晴らしくマッチしている。
また、ストーリーが実話だけに、出演者の演技も作品の出来に大きく影響しそうだが、さすがにヘレン・ミレン、ライアン・レイノルズといい、過去のシーンの出演者も、素晴らしい十分な演技っぷりに、想いが伝わる感慨深い作品だった。
裁判の行方もどうなるのか、見守っていたが、叔母のアデーレにまつわる逸話も印象に残るが、なんといっても両親との別れのシーンは、さすがに目頭が熱くなってしまった。
黄金のアデーレやウィーンの綺麗な街並み。一度は訪れて見てみたくなった。
作品の好みは、人それぞれなのは、言うまでもないが、十分良作に値するでしょう。
ヘレン・ミレン素晴らしい!
久しぶりに見て非常に感動して満点になってしまいました。ウィーンの雑誌記者役のダニエル・ブリュール確認できたし、ヘレン・ミレンがとにかく素晴らしかった。ロスでもウィーンでもお洒落。服は勿論、ネックレスも靴もヘアスタイルも全てに神経を払っている。二度と戻りたくなかった母国のオーストリアに入って絶対にドイツ語を話さず英語で通した。毅然とした姿に痺れたしそうでなければ生きていけない、許せない!でも2度目に来たとき全てが解決し、昔、家族たちと過ごし住んでいたアパルトマンの中に入って初めてドイツ語を口にした。美しい叔母、両親、チェロを弾く父、結婚式のパーティー、楽しく皆とダンスをしたり、子ども達が必ず怖がる絵本「もじゃもじゃペーター」を手にしている叔父の側に座ったり。過去の楽しく美しい記憶の中のマリアは本当に幸せに見えた。
「スクール・ボーイ」新米弁護士も良かった。書籍の形をしたホロコースト記念碑に曾祖父の名を見てトイレに駆け込んで泣いてから彼は変わった。
マリアの若いときを演じた女優も気が強くてしっかりしていてとても良かった。そして両親と別れるとき、パパが娘のマリアにこれからお前の故郷になるアメリカの言葉で話そうと英語で別れの挨拶をしたのが悲しく、本当に逞しく、すごく泣いてしまった。ダニエル・ブリュール目当ての再度鑑賞でしたが、あっという間に全部見ました。良かったです、本当に。(2021.6.24)
この映画、面白かったです。ウィーンの非常に裕福なユダヤ人家族、全てを捨てて離れる決心と行動、その部分はもうハラハラして辛かったです。クリムトに肖像画を描かせるなんて凄いことです。ウィーンの人間のプライド高くニコニコしつつ背中にナイフを持ってる感じにゾワッと来ました。金は払うから絵はベルベデーレに残してくれないかって、はー?最後にそういうこと言うかね!マリアが意見した通り。マリアが正しい!
実話…
なんですね?実に数奇な肖像画の歴史。
こないだみたミケランジェロプロジェクトと質も話も違うけど改めてナチの歴史に衝撃。
祖国を失い、家族を奪われた歴史がクリムトの肖像画の行方とともに描かれます。
重い歴史だけど軽めに描かれているのが救いか。
ヘレンミレンもライアンもぴったりな配役で良かったです。
感動。
久しぶりの一流映画
久しぶり極上の料理を味わったような作品でした。
主役のヘレン・ミレンさんが 素敵でした。
あの アデーレのモデルの伯母さま役の女優さんがため息が出るほど美しくて 同性の私でもドキドキしました(笑)
しかし 戦争とは色々なところで 悲しい爪痕を残しているのですね。
平日の1回目とあってか 年配の方が多かったです
ぜひ 若い人にも観てもらいたい作品です
ラストはしてやられました
王道と言ったらそれまでですが
あのように されたら 涙なしには観られんでしょ(笑)
他の方はどう 観るでしょうね
製作スタッフと主演のヘレン・ミランさんに、力いっぱい、拍手を贈りたいです。
誰にでもある、嬉しい、おいしい、楽しい、気持ちいい、悔しい、を踏みにじってしまうのは、悲しい歴史となってしまうことを、あらためて、思い知らされる作品でした。
また、勝ちを見込めそうもない権威とか権力に怖気づくことのなかった、駆け出しの人や普通の人の頑張りは、普段、根負けしてしまうことが多い私たちにも、元気を与えてくれました。
現在と過去が何度もぶつかり合う、激動の歴史の描写となっていましたが、ふと、米国連邦最高裁判所の首席判事の人なつっこさが、この作品に、知的で落ち着いた印象をもたらしていたような気がします(編集のスゴ技に、脱帽です。)
いつもながら邦題とキャッチのお節介感が酷い。
でた。邦題でネタバレ。"名画の帰還"て。実話なのでネタバレもないと思いますが、なんとも無骨なタイトルですね。
実は本作も、ミケランジェロ・プロジェクトと共通する部分があります。第二次世界大戦時にナチスに奪われたグスタフ・クリムトの「黄金のアデーレ」ですが、戦後はオーストリアに返還されました。しかしそもそもこの名画は、アデーレの家族が所有していたもの。アデーレの姪が、絵画返還をオーストリア政府に求める裁判を起こす。というストーリー。
原題の「Woman in Gold」は彫金師だったクリムト絶頂期に、エジプト芸術や、琳派、つまり大和絵の影響を受け、金で装飾した豪華な絵を描いてた。その頃の名画「黄金のアデーレ」に由来すると思います。個人的には人気が落ちて来て、金を全く使わなくなった頃の作品の方が好きです(豪華絢爛な絵は、クリムトの見た目や自分の生まれに対するコンプレックスが表れてる気がして気の毒になる)
確かアデーレをモデルにした絵は複数あったと思いますが、本作では(恐らくオーストリアが所有権を認めたのが一枚だったからか)「黄金のアデーレ」だけが登場します。
とは言え、本作はクリムトの伝記物ではありません。
アデーレの姪であるマリア(ヘレン・ミレン)の家族の思い出と、裁判の行方を追ったヒューマンドラマとなっています。
私の父の絵の師匠がよく「絵は告白だよ。上手く描かなくていい」と言っていましたが、
本作はまさに名画「黄金のアデーレ」が告白する、アデーレとクリムトが生きた時代と、マリアの家族の物語です。
マリアを助ける若い弁護士ランディにライアン・レイノルズ。弁護士に見えないちゃらっとした彼が、成長していく姿に好感。派手な演出はありません。家族の思い出が詰まった絵画の喪失、つまりユダヤ人迫害でマリアが失った物の大きさを表してる点。うん、後からじわっと来る。
って、キャッチで既にテーマを言ってる!もう、こういうのが一番むかつくんですよ!観客って、配給会社が思うほど馬鹿ではないので。テーマくらい、ちゃんとくみ取れます!
ですが良作。強めにオススメします。
経験した人にしかわからない想い
歴史上の事実について、あーだこーだ論じることは
誰でもできるけど、本当のことは実際に経験した人でないと
絶対に理解はできない。
今のところ、戦争とか物騒なこととは全く無関係で生きている
わたしには到底わからない、一生決して拭い去られることのない
悲惨な想い出を抱えて生きている人のことを考えてしまう。
考えたって到底わからないけど。
ユダヤ人監督の作品ですが、不必要にナチスドイツを糾弾する
のではなく、傷ついた多くのユダヤ人のうちのひとりの人生を
きちんと丁寧に描いた秀作です。
ヘレン・ミレンは勿論素晴らしいですが、あまりに高貴すぎて
最高裁判所の豪華な装飾に見とれている彼女に違和感を感じました…。
そんなつもりじゃなかったけど、号泣。
歴史的事実を取り扱っているわけだから、結末は決まっているようなもんだし、その事実を知らないで見たとしても、展開は読める。分かりやすい話であり、内容もよくある戦中のユダヤ人迫害を扱ったものであり、特段目新しさはない。ちょうど真ん中くらいには退屈さも感じたし、すばらしい国アメリカ的な押しつけがましい要素もちらほら感じた。
しかし、もう終わる瞬間というものは涙が止まらず、思わず声が出そうになるくらいに、久々にマジ泣きしちゃいました。
絵の美しさと、絆の描き方の見事さなのかなー、どっぷり物語にはまったなぁ。
ラストなんであんなに泣かされたのか─、考えてみたら、あれはエルミタージュ幻想だったんだと気がつきました。あの何ともいえない哀愁を帯びた華麗さに、涙してしまったのだと理解しています。
探せばアラはたくさんあるような気がするんだけど、とにかく泣かされてしまったという事実こそが、この映画は素晴らしいのだということを物語っている。
I bet you this movie is better than you expect
■こんな人におすすめ
「ライアン」はゴズリングではなくレイノルズ派の人。
作品中に裁判シーンがあるとちょっと嬉しい人。
■こんな人にはおすすめしない
気楽に映画を見たい人。
10代の人。
なんとなく見たこの作品が想像以上に楽しめて「見てよかった作品」の一つになった。
こんなにクセもなく難もないヘレン・ミレンも久しぶりな気が。。。
やっぱり作品のこと何も知らずに見るのが一番楽しめるなー。
ただ、「トゥモローランド」のジョージ・クルーニー、「ブラックハット」のクリス・ヘムズワースの天才ハッカー役に続いてライアン・レイノルズの弁護士役が「その職業に見えないキャスティング」シリーズに続いてしまったのでは。
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