「シンドラーのリストを彷彿させる名作」黄金のアデーレ 名画の帰還 カメさんの映画レビュー(感想・評価)
シンドラーのリストを彷彿させる名作
個人評価:4.3
原告であるマリアの心情を、まるで柔らかなシルクの布で包むかの様に、ゆっくりと丁寧に描いていく。
強奪された名画達は、今も続くナチスドイツの最後の捕虜だという台詞に、ホロコーストの闇がまだ現代にも続いている事に気づかされる。
かつて所有していたクリムトの名画。それを元ある場所に戻すという事は、ホロコーストで財産や家族を奪われた過去を、元の場所に還す事に繋がるという熱い想いに心動かされる。
その想いを受け継いだ、ユダヤの末裔のランドルの描写もとても良い。
アデーレの絵がマリアの元に戻ると同時に、2度と踏み入れまいと誓った祖国と家族の想いが溢れ蘇るラストシーン。
その締めくくり方に、監督の想いと秀逸な技がそこにある。
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