「これはミステリではない」Mr.ホームズ 名探偵最後の事件 ΑΙΔΗΣさんの映画レビュー(感想・評価)
これはミステリではない
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死に至る病には色々あるが、孤独もその1つだろう。
この映画は、ミステリではなく孤独を描いたヒューマンドラマだ。
ミステリだと思って観たら肩透かしを食らうだろう。
だが、牧歌的な中にも人間の中に潜む孤独を深く描き切っている傑作だと思える。
それだけだと主人公をホームズにする必要性は感じられないと思うが、過去に大きな栄光を抱え、そして忘れたい挫折を抱えた老人をインパクトあるものにする為には、ホームズは適任だったと思う。
家族の孤独・歳を取る事の孤独、息子以外には何もない孤独…… 多くの孤独がここにあり、ある者はその病によって死んでいく。
自分が孤独である事を素直に認めた時、そしてそれを他の者に伝えて応えて貰えた時にこそ、感謝と生きる力が湧いてくる。
ホームズの鼻持ちならない自尊心が孤独に負けて、幸せが見えてくる姿に涙した。
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ΑΙΔΗΣさんのコメント
2019年3月26日
追記
私は広島生まれの広島育ちの被爆二世。
だからホームズが広島に来てくれた事に感謝したい。
あの瓦礫の中で祖父や伯父や父は立っていたと思うと、大好きなホームズがあの地で感じてくれた何かがとてもうれしい。