劇場公開日 2015年7月3日

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「ミステリーよりは社会派向け。偽りの楽園で起きた悲劇。」チャイルド44 森に消えた子供たち 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ミステリーよりは社会派向け。偽りの楽園で起きた悲劇。

2015年7月14日
PCから投稿

悲しい

怖い

難しい

【賛否両論チェック】
賛:殺人事件がタブー視されている社会にあって、その被害者達に感化され、己の危険を省みずに事件を解決しようと奔走する主人公に、心動かされる。
否:直接的な描写は少ないが、グロいシーンが多い。展開も殺人事件のミステリーよりは、体制への抵抗がメイン。

 「殺人事件は起こらない」という、現代の私達からすると荒唐無稽な理屈が平然とまかり通っていたことに、まず驚かされます。そしてそんな状況下にあって、自ら命の危険にさらされながらも、被害者や遺族のために真実を知ろうとする主人公とその妻の姿には、胸を打つものがあります。
 ただどちらかというと、猟奇殺人事件の犯人を探すミステリーというよりは、真実を隠蔽して体裁を取り繕おうとする当局に対し、主人公が真っ向から抗おうとする姿勢をメインに物語が展開されるので、ミステリー好きな方には、やや物足りない感があるかもしれません。
 人間としての生き方さえも問いかけてくる、そんな社会派の作品です。

映画コーディネーター・門倉カド