劇場公開日 2016年5月7日

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「閑職で窓際っぽい警察署広報官である佐藤浩市に同情し共感し「後編」に期待をつなぐ「前編」」64 ロクヨン 前編 ドン・チャックさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0閑職で窓際っぽい警察署広報官である佐藤浩市に同情し共感し「後編」に期待をつなぐ「前編」

2016年5月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

Movix堺で映画「64 ロクヨン 前編」を見た。

平日で午後7時ごろからの上映回だった。
観客は我々夫婦子供を含めて15人くらいだった。

ベストセラー作家・横山秀夫の著作で、
2012年「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、
2013年「このミステリーがすごい!」第1位など
高い評価を得た警察小説「64(ロクヨン)」を映画化した2部作の前編らしい。

「半落ち」「クライマーズ・ハイ」などで知られる横山秀夫と言われても知らないしわからない。
その両方の映画の存在は知っているのだが残念ながらどちらも見ていない。

映画「64 ロクヨン 前編」はテレビCMや映画館の予告編を見たくらいで、特に予備知識を持っていなかった。

昭和の最後の年に、子供が誘拐され、警察が犯人を追い詰めるクライムドラマかと思っていたが違っていた。
少なくとも「前編」は。

警察の刑事部に長く勤め、あと数年で定年を迎えるであろう佐藤浩市は現在は地方警察の広報官である。
その部署ではトップであろうと想像するが部下は綾野剛と榮倉奈々ともうひとりの男性がいるくらいである。

言うなれば閑職で窓際っぽい部署なのかもしれない。
直接の部下の綾野剛にも「広報官なんてどうせ腰掛けでしょう」と言われている始末である。

佐藤浩市は「前編」では最初から最後まで出ずっぱりである。
警察署内では椎名桔平や滝藤賢一や奥田瑛二や三浦友和らや仲村トオルにまったく頭が上がらない。
また、署内の記者クラブと直接折衝する部署でもあるのでその突き上げが非常に強い。

警察官で数十年勤め上げてそこそこの地位まで来たはずなのに、
見ていてつらくて精神的にきつい仕事であるように見えた。

「前編」の9割方まで終わった時点でなにやら騒々しくなる。
新たな誘拐事件だ。
ここからやっとサスペンスミステリーぽく展開するーと思った瞬間に幕が降りた。

これはこれでなかなか面白い展開であるし、こういうのもありかなと思った。
早く「後編」を見たいのだが、「後編」は1ヵ月後の6月にならないと公開されないのだ。

満足度は「後編」への期待を込めて5点満点で5点☆☆☆☆☆です。

ドン・チャック