「語らない作品」キャロル ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
語らない作品
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1950年代のアメリカは、同性愛を精神病としていたそうです。現代でも、同性愛がタブーになっている国は、まだまだ世界中に存在しています。
さらに、女性同士の恋愛を描いた映画は、ほとんど作られていません。
女性同士の恋愛というと、興味本位的にとられがちですが、テレーズは、レズビアンだからキャロルを愛したのではなく、キャロルという人間を愛しただけです。
そして、キャロルは、同性愛ということを隠しながら、生きているひとりです。
当時のふたりに、ひとりの人間を愛すること、同性愛として生きていくことの厳しさは、想像に難くありません。
そんな時に、もし私であればどの様に生きていくのでしょうか。
彼女達がアイデンティティを語れなかった当時と同じように、作品も決して多くを語ろうとしません。
しかし、ラストでみる彼女達には、差別に立ち向かって生きていくという信念が見えた気がするのです。
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