「【今作は”三人の信義を重んじる、平凡な大学教授と、ロシアンマフィアから足を洗った物凄い暗記能力ある男と、MI6の男の絆”をスリリングに描いたスパイアクション映画なのである。】」われらが背きし者 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【今作は”三人の信義を重んじる、平凡な大学教授と、ロシアンマフィアから足を洗った物凄い暗記能力ある男と、MI6の男の絆”をスリリングに描いたスパイアクション映画なのである。】
■冷え切った夫婦関係を改善すべく、モロッコで休暇を取っていたイギリス人の大学教授・ペリー(ユアン・マクレガー)と妻・ゲイル(ナオミ・ハリス)。
或る晩、ペリーがクラブで呑んでいると、陽気なロシア人から”お前の銀行カードのNoを覚えるから、当てたら一緒に呑もう”と言われ、当たる訳ないと思ったら見事に当てられ、二人は共に酒を飲む。
そして、そのロシア人、ディマ(ステラン・スカルスガルド)からロシアンマフィアのマネーロンダリング情報が入ったUSBをMI6に届けてくれと頼まれる。ディマはロシアンマフィアのマネーロンダリングをしていたが、家族と共に組織を抜け英国に亡命しようとしていた。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・登場人物としては、名優ステファンスカルスガルド演じる家族を大切にする信義を重んじる男ディマが、圧倒的に魅力的である。
表面的には明るいテニス好きの男だが、且つて母を凌辱していた男を射殺した経験から、家族を大切にしている。
詳しくは語られないが、所属していたロシアンマフィアで、若くして台頭して来たボス、プリンスと上手く行かなくなっていたのが、原因であると劇中、彼とプリンスが食事の際に話す会話で分かる。
・ペリーも一見冴えない大学教授であるが、危険な事は分かっているのに、ディマの家族を英国に亡命させるために、会ったばかりの彼に協力していく姿。テニス好きと言う所も似ているが、彼も又信義を重んじる男なのである。
・MI6のヘクター(ダミアン・ルイス。元MI6の今は下院議員のオーブリー・ロングリック(ジェレミー・ノーサム)のマネーロンダリングの事実を掴むために、ディマとペリーに協力し、ディマの家族を英国に亡命させようとする。
<今作は、上記3名がディマの家族を英国に亡命させようとするスリリングな物語である。ディマが命懸けで家族を英国に亡命させた後に、ペリーに託した”プリンスが幼かった時に鹿を撃てなかった白い象牙のグリップの銃の弾倉”にディマが書いて置いたマネーロンダリングで、不正に利益を得た者たちの名前と銀行口座が細かい文字で書かれた小さな紙の巻物をMI6のヘクターが見つけるラストシーン。
そこには、勿論オーブリー・ロングリックの名前も記載してあるのである。
今作は、信義を重んじる平凡な大学教授と、ロシアンマフィアから足を洗った物凄い暗記能力ある男と、MI6の男の絆を描いたスリリングなスパイアクション映画なのである。>