おかあさんの木のレビュー・感想・評価
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一度は見ておくべき
鈴木京香の演技に圧巻。
7人子供を次々と戦地へ送り出す母親の心情が痛いくらいに伝わってくる。
特に二郎を送り出す列車でのシーンは、相反する、日本国民として「送り出さなければならない」表情と、母親としての「送りだしたくない」心情がなんとも胸をえぐられる。
子供は戦地で戦うために生まれてくるわけではないし、もし自分があの時代の母親だったら、こんなことになるなら生まなければよかったと思うだほう。
その方が苦しみも悲しみも少なくて済むのだから。
人数ではないかもしれないけれど、7人皆が戦争に捕られるなんてあまりにも酷い。
被害にあった場所、向かった戦地だけが戦場だったわけじゃないのよね。
おかあさんが子供を送り出しその帰りを待った家も、あの木を植えた場所も、あの時代を生きた人々の心そのものが戦地と化していたんでしょう。
40年前から教科書で採用されているだけあって、観客の年齢層は比較高めでした。
観客は少なくはあったものの、終始すすり泣く声が。
原作は短編ということもあり、それを色付けしていくのはなかなかのものだったのではないかとも思います。
わざわざ映画館で観る必要はない、と思う方もきっといるでしょう、大きい画面に迫力あるサウンド..などを考えたらそうかもしれませんが、この映画は大きい画面で、心静かに考える時間をくれる映画だと思います。
そう考えると、何かを汲み取ろうと能動的に見なければ何の意味も為さないただの映画になってしまうかもしれませんね。
とても良かった若い人に観てもらいたい
ステレオタイプのメッセージだけでは、心に残るものがない
分かってはいましたが。
涙なしでは観られない。ミクロな視点で描かれる戦争の悲惨さ。
【賛否両論チェック】
賛:大切な息子達を全員戦地に送り出さなくてはならなかった母の悲痛な心の叫びに、涙が止まらない。戦争の悲惨さを切実に伝えている。
否:どうしても同じようなシーンが続くので、退屈になりがち。
“ザ・ハンカチなしには観られない映画”です(笑)。愛する子供を戦場になんて送りたくない。しかし、そんなことを口にすることも許されず、万歳三唱で送り出さなくてはならなかった主人公の苦しさに、観ていて涙が止まりません。どんなに手厚い保護を受けても、周りから賞賛されても、決して喜ぶことなく、
「手柄なんて立てなくていい。とにかく生きて帰ってきてくれ。」
と木に話しかけるその姿に、命の尊さについて改めて考えさせられます。
同時に、そんな家族の切なる願いをことごとく引き裂く戦争の悲惨さも、如実に描かれていきます。
「戦争は、弱い者にまずしわ寄せが来る。」
という言葉に、全てが表れている気がします。
出兵するシーンなど、どうしても同じようなシーンの繰り返しになりますが、それを差し引いてもなお、十二分に感動出来る作品に仕上がっています。
タイトルなし(ネタバレ)
ハッピーエンドじゃないからもう哀しい。
この作品はフィクションだけど、きっと戦中戦後、実際に同じような目にあっている人はいっぱいいるんだろうなぁ。。。
最後なんでお母さん死なせちゃったの?五郎と会わせてあげて最後くらい笑顔で終わらせてよ。
ハンカチ無しで見れた!
じわじわきます。
グッときます!
小さな村で7人の子供に恵まれ、幸せに暮らすミツ(鈴木京香)であったが、ある日、夫の謙次郎が心臓発作で他界。さらに数年後、戦争によって息子たちが兵隊として送り出され、ミツは息子達が無事に帰れるように桐の木を1本ずつ庭に植え、彼らの帰還を待ち続ける話。
一つ一つのシーンからその人の心情を考えさせる日本映画特有の間を取る良い魅せ方、またそれを支える鈴木京香の素晴らしい演技力によって心をグッと掴まれるとても良い映画だった。中でも戦争中の日本の風習と母親の心情の2つからくる葛藤が痛いほど伝わってくる。
アクションなどが好きな方にはオススメ出来ません。ですが、それとは別に一度観たほうが良いのではと考えます。
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