劇場公開日 2015年9月5日

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「次から次へと休むことなく襲い掛かる恐怖」クーデター スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0次から次へと休むことなく襲い掛かる恐怖

2017年7月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

怖い

単純

オーウェン・ウィルソンが主演なだけに、何だかんだでところどころゆる目に仕上げられたパニック・スリラー映画なのではないかと想像していたのですが、これはいい意味で期待を裏切られました、意外にも終始緊張感、迫り来る恐怖感たっぷりの正統派パニック・スリラー映画だったではないですか。
まあ突っ込みどころは多々ありましたが、次から次へと迫り来る恐怖に、終始ドキドキしっぱなしで基本的には面白かったです、このタイトルでありながら政治色は極力省いて、あくまでパニック物として作られていたのが個人的には大いに楽しめた要素でしたね。
それでいてクーデターが起こった理由にも妙に納得する部分があったりで、まあこの手の映画特有の主人公家族にだけ都合良く展開する部分は多少なりともあったにせよ、パニック・サバイバル劇としては十分見応えある作品だったと思いました。

言葉が通じない異国の地(カンボジア?)でのパニック劇と言うのも、我が身に置き換えて考えてもホント救いが無くて恐ろしかったですね。
しかもこの地に赴任して次の日の出来事でしたから、土地勘が無い上に何で民衆が政府と外国人ばかりを狙って暴徒化しているのか、訳も分からず逃げ回らなくてはならないと言うのが見ている側も恐怖感に苛まされて、見ていて本当にドキドキしっぱなしでしたよ、一難去ってまた一難と、とにかく心休まる暇がなかったし、見ていて妙に疲れたなぁ・・・。

そんな暴徒化した現地民が、まるでエイリアンのごとく描かれていましたが、まあコトの真相を目の当たりにすると彼らの行動自体には大いに納得は納得でしたが、映画的な描き方としてはこれで良し、この方が単純にパニック物としては面白かったですからね。
また主人公一家の前に何故か度々現れるピアース・ブロスナンもナイスキャラでした、飲んだくれチョイ悪オヤジからジェームズ・ボンド的キャラまで、いろんな顔で大いに楽しませてくれましたね、そしていろいろとおいしいところも持っていきました!

しかし子供と言うのは可愛い反面、こう言うピンチの時の無邪気な行動には、本当にイラっとさせられます、映画的にはおかげで余計にハラハラさせられて面白かったですけど、現実ならその行動で速攻で一家全滅もありそうでホント怖いですねぇ・・・。
でも家族を守りたいと思う主人公の気持ちには感動しました、一人だったら頑張れないよなぁ、あんな状況では。
まあ何にしても、パニック物in家族愛映画として、十分楽しめた作品でした、とりあえず多少は鍛えておかないとだな・・・。

スペランカー