「観客に想像を託す作品」チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密 yupppiiiさんの映画レビュー(感想・評価)
観客に想像を託す作品
評価も悪くなさそうだし、チワワ好きだしなんとなく観てみた作品。
原題はstarlet.
チワワの名前でもあり“未来のスターとして宣伝される女優”の意もあり。
おばあさんが、チワワの名前を聞いて「男の子なのに?」というセリフがあったから、きっとそういう意を含んでいるんだろうなぁ、と観終わって思う。
今の生活(状態)に嫌気がさして、自分の部屋を模様替えしようと、ガレージセールで小物やらを探す主人公はそこそこ売れているポルノ女優。
たまたまそこで花瓶として使おうと買ったサーモスに何と大金が入っていて。
確認しに行くが、どうやら持ち主のおばあさんは全く気づいていないらしい。
気ままにお洋服を買ったりショッピングもしてみるが、やはり気が咎めるようで、単なる親切を装っておばあさんの手伝いを始める。
最初は不審がっていたおばあさんだけれど、ふたりは次第に心を通わせて、仲の良い“友達”のような関係に。
旦那さんを亡くし独り身のおばあさん。
同居している同じくポルノ女優の友達は薬漬けで、会社の規則上彼氏もつくれない孤独な主人公。
お互いにぽっかり空いている溝を埋めあっているよう。
ある時、おばあさんの夢であるパリに連れて行ってあげようとサーモスに入っていたお金の残りを全てつかってチケットやらホテルを手配。
ふたりで楽しみにしていたパリ旅行。
その直前に、主人公の同居の女がおばあさんに「彼女はお金を盗んで、その罪悪感だけで世話をしている」と告げ口。
おばあさんはショックでパリ行きを断念しようとするが…行くことに。
その空港に向かう途中で、いつもの旦那さんのお墓に寄るよう主人公に伝え。
主人公に花を添えてきてと伝える。
そので初めて知った事実。
子どもはいないと言っていたけれど、旦那さんと一緒に亡くなっていたのだ。
その事実がカミングアウトされてエンディング。
チワワのstarletをおばあさんに預けている間に何があったのだろうか。
ただの脱走ではなく、おばあさんは何か酷く辛いこと?嫌なこと?があったはずだけれど、それについては触れていなかったり…
結局おばあさんの家族はなんで亡くなってしまったのかも気になるところ…
観る人にいろいろと想像させる作品だった。