国際市場で逢いましょうのレビュー・感想・評価
全13件を表示
父との約束…
朝鮮戦争で父妹と生き別れになり、その時交わした家長となり、家族を守ると言う約束を命懸けで守った男の話。貧国から豊国へ経済成長する過程で幾人もの人が同じ様な思いで苦労したのだろうか。それは戦後の日本も同じ。家族のために自分の夢や人生を犠牲にしてでも朝から晩まで身を粉にして働く。また家族を互いに大事に思い、個人より家族という、それが最小単位。こんな家庭が当たり前だったのだろう。豊国になるにつれ、そもそも大家族のような人数もいない、より個が尊重される時代になった現代において、こうした絆の大切さ、家族が紡いできたもの、改めて考えさせられた。老け顔メイクのクオリティはいまいちだったが、ファン・ジョンミンは何を演じても上手い。
今私たちが幸せに暮らせているのは
今私たちが幸せに暮らせているのは、親、祖父母、先祖達が命を守り、繋いでくれたから。
激動の時代を生き抜いた祖父母世代に改めて感謝したいと思える作品。
映像にもお金がかかっている。気合いの入った韓国映画。
人生はタイミング
朝鮮戦争興南撤収作戦にて父と妹とはぐれたドクス。
「釜山の国際市場で会おう」
その言葉が形になる日を信じて、ドクスは一家のために命がけで、しかしいつも笑顔で働き続ける。
朝鮮戦争から現代へ。
1人の男の波瀾万丈な人生を通して韓国激動の歴史を追体験する。
内容は、山あり谷ありなドクスの一生というシンプルなものだけど、とても良い作品だった。
現代と回想を交互にして振り返る。
日本人もそうだったんだろうけど、戦争後必死に働き復興に沸いた、当時の韓国人の勢いが伝わってくる。
時にドイツの炭鉱で、時にベトナムの戦場で、悲劇と喜劇を繰り返し、時代は流れていく。
どんなものよりも大切な家族、どんな時も心配してくれた妻、どんなところへもついて来てくれた友人、どんな事があっても拠り所だった国際市場。
過去とオーバーラップする部分が多く、ベトナムで少女を救う姿は父親と重なった。
父親を待ち続けて、気づけば父親よりも歳をとった。
自分を待つのは老いだけだけど、ドクスは今も父親を待ち続ける。
妹との再会シーンには大号泣。
本当に悲劇と喜劇のバランスが上手い。
韓国映画のワチャワチャってなんでこんなに尊いの?
奥さんとの馴れ初めも初々しくて好き。
「国際市場で逢いましょう」
本当にこの一言に尽きる。
多少盛ってる部分はあるけれど、目頭が熱くなる興奮と感動のある作品だった。
(老けメイクは違和感しかなかったけど、芝居で補完していたので👍)
ドクスがいたから家族が幸せになれた
やっと観ました。ずっと気になっていた『国際市場で逢いましょう』
心がほっこりする、いい映画でした。胸が熱くなるシーンが何度もあり、あっという間に2時間が過ぎました。
年老いた主人公ドクスと妻ヨンジャが語り合うシーンから始まりますが、現在と過去が交錯しながら進み、1950年、12月にビクトリー号が避難民を乗せて興南(フンナム)埠頭から脱却しようとするところから物語は本格的に進みます。
ドクスは船に乗る時に、背負っていた妹のマクスンの手を離してしまい、離ればなれに。妹を捜しに行った父も行方不明に。
以後、釜山に行ったドクスは妹の手を離してしまった自分を責め、それはトラウマのようになります。父の最後の言葉「家族を守ってくれ」という言葉通り、母や弟、妹のために身を粉にして、働きます。ドイツの炭鉱での出稼ぎ、ベトナム戦争の技術者としての仕事は命を掛けたもの。波瀾万丈のはずなのに、ドクスはいつも優しい笑顔を振りまき、苦労している辛さを顔にも出さずに。この姿だけでも感動です。これが本当の男の強さなんでしょう。ファン・ジョンミンの優しい笑顔がよかった。またまた、自分の中でファン・ジョンミンの株が上がりました。
ドクスが露店を決して売り渡そうとはしないワケもよくわかってきます。終盤、孫たちに囲まれて団らんの時を過ごしますが、途中で席を外し、一人自分の部屋にこもって、亡き父親と涙ながらに対話するシーンが印象的。ジーンときます。
ラストのドクスとヨンジャの会話。素朴だけど、いいラストでした。
「なぜ、私と結婚したの?」
「キレイだから」
「お前はなぜ、わしと結婚した?」
「愛しているから」
互いに「ウソでもうれしい」
愛しているから。
ドクスの波乱に満ちた人生。
ドイツ、ベトナムと出稼ぎに行って幾度となく危ない目にあって生きて帰ってくる。
あの時代(1950年)家を追われ家族で逃げている時父、妹と別れ家族の家長としての使命があった。本当は船に乗って船長としての夢があったが…。弟、妹、家族のために諦めた。最後は船で別れた妹に会うことができた。
晩年はたくさんの孫たちに囲まれ幸せな人生をを送る。
妻と共に苦楽を生きてきたドクスの人生物語。
妻の。結婚した理由は… あなたを愛しているから。(心に沁みる言葉)
文句なしの★5つ!
文句なし!
日本映画にも良い作品はたくさんありますが、韓国映画の素晴らしさにはいつも度肝を抜かれています。
激動の時代を駆け抜けた主人公ドクス。
戦争で、自分のせいで父と妹と生き別れになってしまった(正確には彼のせいだけではない)。父と離れてしまう際、「父親がいなくなれば家長は長男のお前だ。お前が
父さんの代わりに家族を守れ」と言われた言葉を生涯真面目に守り、ただひたすら、家族の為に人生を捧げました。
話の途中には、妻からは自分の為に生きろ。あなたの人生の主役は誰?とまで言われてしまいます。良い奥さんだなー。。。そう言われても、家族の為、父と交わした約束を守り続けるのです。
とにかく戦争の愚かさ、悲惨さをしっかりと描き、その中で生きている一般人の力強さも描かれています。
生き別れの妹との再会を果たす事ができたシーンは、涙が止まりませんでした。あれは劇場で見てたら嗚咽ものだなと思いましたが、やっぱり映画館で鑑賞したかったなー。
韓国は家族のつながり、血の繋がりがとても強いなと思います。優しさと愛情と思いやりとそして強い絆があります。どんなに辛い時代であっても、そこに人々が守られているように思いました。
ただ、そこまで家族の為に生きてきたドクスの息子や娘?の父への態度が気に食わなかったです。えーっ、そこは子育て失敗したか?的な。まぁ、年をとり頑固にもなってきた父に対して若い世代がどうすれば良いのか分からないのかもしれないのですが。そこは少し不思議でした。
あと、映画のタイトルの意味が最後に分かるというのもセンスが良いなぁと思いました。ドクスにとって父の存在がなによりも大きく、そしてまた、それが彼の人生を支えてくれていたように思えました。
とても重い内容なのに、ちょいちょいユーモアが挟まれ、あっという間の2時間でした。
いい映画
いい映画だった。
妹の手を離してしまったという自責の念、そのため父親も失い、
あんなにも幼い時から家長として家族を必死で守ってきたドクス。
ドクスが自分で手を離した訳でもないのに、、、。
どんなに過酷な日々でも自分は平気だと決して明るさを失わない。
必死で稼いで、夢をあきらめてまでお店を守る意味。
子供たちはそんなドクスの苦労も気持ちも全然わかってはいないようで少しイラっとしたけれど
あんなにも沢山の孫たちに囲まれ、彼が命に変えてでも守ってきたものは未来へ繋がっている。
そして親友がいい。
イイオトコではないけれど、彼がいたからドクスは頑張ってこられた。
どんな時も一緒にいて、妹が見つかった時には一緒に泣いて喜んで、
真の友だ。
ドクス本当にお疲れ様。よくよく頑張ったね。。。
ドクスが爺ちゃんになってる現代。孫がいっぱい・・・
1950年。中国軍が攻めてきて興南から脱出する人々。港から米軍のビクトリー号に乗るとき、妹マクスンが落ちてしまい、父ジンギュが探しに戻る・・・
プサンの生活は貧乏でしょうがないほど。終戦後の日本とそっくりで、子どもたちは「ギブ・ミー・チョコレート」と進駐軍にたかっている(笑)。成長すると、弟が勉強が出来てソウル大学にも合格するほどになり、学費を稼ぐためにドイツの鉱山に行くドクスであった。鉱山崩落事故で死にそうな思いもするが、看護師のヨンジャと恋仲になり、帰国後結婚。
妹クッスンの結婚費用やら叔母さんの店が売られるということになり、またまた金が必要になったドクスは1974年に戦闘員ではないがベトナム戦争に行くことになる。ここでもまた死にそうな経験。
結局は父に逢うことはできなかったが、テレビ番組で朝鮮戦争で生き別れになった家族を探してもらい、アメリカに妹マクスンがいたことがわかる。マクスンに再会した直後、ドクスの母は亡くなるが、自分が家長としての役割を果たし、数奇な人生を振り返る。
常に友人としてドクスの傍らにいるダルグ(オ・ダルス)。家族の物語も感動的だったけど、彼の存在が忘れられない。生き別れものはまず泣かされます…
国際市場に小さな店を出している爺さんの話
夫婦愛、兄弟愛、親子愛。ファン・ジョンミンが、青年期から晩年までをいつものように熱演している。全体的には、コミカルなタッチで、進む。ベースとなるのは、少年時代の傷を背負ってずっと生きてきた男の生き様。はじめの戦火から逃れ海へ逃げるエピソードや、ドイツの炭鉱掘り(生き埋めになる)、ベトナム戦争で戦地に入り込んだエピソードなど、コミカルな演技は多いけれど、すごくよくできていると思います。韓国の現代史になっているのではないかと思います。たぶん韓国版フォレストガンプを目指してできた作品なのではないかとちらと思いました。
家長は辛いよ
父親を亡くし、妹を守れなかったという自責の念を抱えながら、激動の時代を家長として生ききったドクス。ラストで泣きながら父親へ語りかけるシーンは、国は違えど胸をうちました。『良く生きた。良く頑張った』
韓国男性の強く逞しくのイメージとは離れたドクスの描き方に好感が持てました。韓国社会も時代が変わってきているのでしょうか。
♪顔で笑って腹で泣く 腹で泣く
朝鮮戦争時、父と妹と生き別れたドクスは母と幼い弟妹と共に、叔母のいる釜山・国際市場に身を寄せる。父に代わり家長として家族を支え、激動の時代を駆け抜ける。笑顔と家族への愛情を絶やさずに…。
韓国で歴代2位となる大ヒット。
邦画で例えるなら「ALWAYS」、ハリウッドで例えるなら「フォレスト・ガンプ」。
評判に違わぬ感動作!
バカが付くほど直向きな主人公。
弟の学費を稼ぐ為、ドイツの炭鉱へ。
妹の結婚費用と叔母の店を買い取る資金を稼ぐ為、今度は技術者としてベトナムへ。
何度も命の危険にさらされる。(2~3度死んでもおかしくないほど)
何故ここまで命を張れる?
言うまでもなく、家族の為。
その無償の行動の源には、あるトラウマが。
朝鮮戦争時、妹の手を離してしまった。妹を探すべく別れた父ともそれきり。
あの時、守れなかった。
悔やんでも悔やみ切れない。
だから、残された家族は自分が守る。
主人公の姿に心揺さぶられる。
新生活を始めた時は、叔父叔母含め6人。
ドイツで出会った同胞女性と結婚。
弟も妹も結婚。
一人一人、家族が増えていく。
貧しかった生活も、それなりに満ち足りたものに。
培ってきた、守ってきた証。
唯一の悔いは、例のトラウマ。
が、そんな彼に奇跡が…。
目頭熱くなり、涙腺弱い方はハンカチのご用意を。
映画は老境となった主人公の回想形式。
あんなに人懐こかった主人公は、頑固ジジイに。
開発進む国際市場で店の退去命令に頑なに反対する理由、そしてタイトルの意味も明かされる。
「新しき世界」の狂犬ぶりとは180度違う、愛情たっぷりの優しさ。
ファン・ジョンミンの名演を見ているだけで胸が熱くなる。
(東方神起のメンバー一人の映画デビューとかで話題になったらしいが、全く興味ない者としては何のこっちゃ…)
韓国の実在の有名人のリンクネタや、韓国人特有の性格、韓国史なども挿入され、日本人にはちょっとピンと来ない点もあるが、それを差し引いてもこの物語には魅了される。
ラスト、主人公の本音がポロリ。
「男はつらいよ」の主題歌の一節が浮かんだ。
♪顔で笑って腹で泣く
よかった
主人公が単なる店の店主かと思っていたら、ドイツやベトナムなど危険地帯に出稼ぎに行くような国際人であった。国際的な交流がその後の人生に反映されておらず、ただ金を稼ぎに行っただけであるというのが面白かった。
主人公のお父さんは子供に責任を負わせすぎだ。オレは子供には何も責任などないと考えているのでトラウマを背負っていてかわいそうだった。しかしそんなプレッシャーに負けず、子供ながらに家長として、兄弟を進学させて養っていたのは立派過ぎて、頭が下がる。
妹がアメリカで生きていて本当によかった。
苦労して育てた息子に店を売れと軽く言われており、切なかった。
韓国映画ってほんと泣かせてくる
濃い。1000円で観たけどもっと払ってもいいくらい素晴らしい映画だった。とにかく最初からずっと泣かされっぱなしでした。ドクスが父親と生き別れるシーンの子役の泣きの演技がすごい。思い出すだけでも泣けちゃうくらい迫真。南北離散家族の再会のドキュメンタリー映像を当時のまま使っているところもやばかったです。日本人には分からない朝鮮半島の人々の悲しみみたいなものを垣間みました。親友役のダルグもすごく良い味を出していた。ドクスも滑稽で微笑ましいキャラクターだけど、彼の存在がもっと映画を明るくしてくれていたと思う。
全13件を表示