「ナチュラル・ボーン・クリミナル」ブラック・スキャンダル ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
ナチュラル・ボーン・クリミナル
間違いなく、今後ジョニー・デップの代表作の一つに、確実に挙げられる作品になることでしょう。や、なりますね。なります。
こんなデップ、初めてじゃねえか?今まで見たことなくねえか?というほどの変貌、そして名演です。怖いです。たまらんス。チビりかけます。少しチビったかもしれない、自分。
本当、こんなサイコパスで静かなる狂気を体現してくれるなんてねえ。演技の引き出しを更に隠し持ってたなんてねえ。
ティム・バートンとタッグを組んできたキャラクター達の、その奇妙な怪演ぶりの数々や、ジャック・スパロウのコミカルさが世間では浸透しきってて、なんというか、その、そういう奇抜さが奇抜とは捉えられなくなってきていて、それが今や当たり前と扱われてしまい「もうジョニデの白塗りメイクは飽きた」なんてことまで言われる始末。だが。
だが。だがしかし!そんな昨今の言われように!風穴を空けるレベルの強烈なインパクト!これがジョニー・デップの真骨頂であると!これが俺であると!ハゲも辞さないと(ハゲメイクは前もやってますけど)!
本当、凄いですから、このジョニデ。1分先2分先の彼の行動が全く読めないんですよ。静かに語ってると思ったら突然ガッツンガッツン殴りますし。ほんのさっきまで普通に喋っててパン!と発砲しますし。年中機嫌悪いし。ジェイムズ・“ホワイティ”・バルジャーというキャラクターがまんま彼に憑依したんじゃなかろうか?的な。的な凄さ。凄み。
物語は実際の事件をベースに、ギャングとFBIが手を組んだっていう黒い内幕を中心にしてるんですけども、自分はそこらを脇に置いちゃってました。必見すべき、特筆すべきはジョニー・デップの演技一択で。
本筋とはほぼ関係ない会話や仕草の端々にまで凄みが宿るというか。何時、何処でキレるか分からぬ一触即発ムードに、観ているこっちが震え上がりますから。
いやあ、圧巻でした。もう彼も白塗りだけとは言わせないでしょう。