「アメリカの闇」ブラック・スキャンダル 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカの闇
実話を下にした映画。FBI史上最悪の汚職事件を描いている。
アメリカの映画で、ギャングと警察(この作品では、FBIだけど)が癒着しているという話はよくある。そう言う設定の映画が数多く描かれるというのは、実際にそう言う事が少なからずあると言う事を示している訳ですが、20世紀初期のアル・カポネじゃあるまいし、まさか21世紀も見えてきた時期にそう言う出来事があるとはねぇ。驚きました。まぁ、アメリカは1960年台も、公民権運動で悩んでいた時期もあるので、こう言う前近代的と言う出来事は、珍しくないのかな。
ギャングのジェームズ・バルジャーと悪徳FBI捜査官ジョン・コノリー、そして、政治家でありジェームズの弟のビリー・バルジャーの三人組が“悪党”と言うことになるのでしょうが、ジェームズとジョンは数多く描かれていますが、ビリーの悪行は明示的には描かれていません。ビリーって、何をやったんでしょうね?最近赤丸急上昇キーワードの『口利き』する役割?政治家の『口利き』は、前TPP担当大臣の辞任にも繋がりましたが、ギャングの張本人が居るんで、政治家の『口利き』って必要だったのかな?でも凄いと思うのが、アメリカのような国で、いやアメリカのような国だからなのかもしれないけど、凶悪犯(と思われる人物)の弟が、州議会上院議員に当選するというのは・・・。兄は兄、弟は弟。“罪を憎んで人を憎まず”なのかもしれないけど、日本だと、そう言う背景のある人が議員に当選するのは、地方議会でも無いんじゃないんでしょうか。
不思議なのが、なんでFBIはバルジャーを泳がし続けたんでしょう?ジョンがハンドラーとしてコントロールしていた、コーサ・ノストラの検挙というもっと大きな目標があった等々、様々な理由があるのだとは思いますが、それでもねぇ、バルジャーの犯罪に関する様々な情報が入ってきていたんでしょうから、そのまま泳がせ続けるというのは・・・。まぁ実際、連邦検察官が交代してから、バルジャーの犯罪に目が向けられて、一味は検挙されたということになるんでしょうけどね。それでもなぁ。マグワイアFBI主任捜査官は何をしていたんでしょうね?
中々見応えのある作品でした。