マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章のレビュー・感想・評価
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the second best...
タイトルからして前作を超えるつもりは毛頭ないような…。
インドの発展途上ホテルで余生を過ごすシニア達のその後を描いた作品。
懐かしさもあって前半は勢いがありますが、後半ボリウッドダンスで盛り上げてもやや失速気味に。
前作からの恋沙汰の続きをとは言え、年寄りを片っ端からくっつければ良いってもんじゃない(ー ー;)。シニア層が観たら元気を貰えるのかも知れないけれど、80歳近くなってもまだ一目惚れや恋愛の駆け引きでウジウジするのかと思うと、ちょっとゲンナリ(-_-)。結局人間って、より良いパートナーと、より良い仕事、より良い住処を求めるだけで、全く成長しないのかしらと思ってしまいます。確かに、子供の頃思い描いた大人のイメージからは程遠く未熟な自分ですが、70〜80歳になっても、彼との結婚踏み切れないのよね〜とか、どっちと結婚しようかな〜とか、浮気してるんでしょ〜とか言ってるお年寄りには憧れを抱けません。すこぶる健康で、スカイダイビングするような達者なおばあちゃんのほうが格好良いです。
それにこのホテル、基本的に心身共に元気なシニアしか無理な環境ですが、それでも天国へ召されるまで楽しく過ごす場所を提供しているのでしょう?Ms. Donnellyがどこで最期を迎えようとしているのか、入院が必要なのか分かりませんでしたけど、彼女のような人こそ最期まで穏やかに過ごせるようにしないといけないのでは?前作はもっと滞在者同士が支え合っていました。本作はほとんど皆自分のことばかり。全員恋愛に浮かれてホテルから離れ、Ms. Donnellyも留守なら、フロントもいない(ー ー;)。
ただ、決めるのは自分、人生の主導権は自分にあるって言うことは伝わりました。
“Sometimes it seems to me that the difference between what we want and what we fear is the width of an eyelash.”
“There's no such thing as an ending; just a place where you leave the story.”
...It’s all up to us when and where to leave the story.
普通の短期旅行客も受け入れながら、長期滞在型&療養型をメインでやっていくホテルって言うのも将来増えますかね。実際、入院しないで病院近くのホテルに滞在するプランなんかもありますし。
ジュディ・デンチの洗練されたファッションを見るべし。
前作を見ていた時点から、「生命力あふれる若々しいシニア」というよりも、「人生の含蓄をイギリスに置き去りにしてきた幼稚な老人」という風にしか見えなかったこのシリーズであるが、今回も、もうほとんど「ラブ・アクチュアリー」じゃないのか?と思うような仕上がりだ。良く言えば「若々しい」シニアたちだが、悪く言えば子どもっぽい人たちでしかないのが実に残念だ。お互いに惹かれ合っているのにぎこちなくてうまくいかない二人、なんて確かに可愛らしいけど、それを地でやろうとする厚顔さはちょっと恥ずかしいし、二人の男に言い寄られてどうすればいいか悩む、だとか、妻の浮気を気に病んで暴走してしまうだとか、考え方と行動が全員本当に幼稚でならないのだ。そこに加え、唯一の若者が早合点で空回りする様がまた何にも面白くないと来た。リチャード・ギアの投入も、一種の刺激にはなっても効果的とはいえず、結果全員がどうにかうまく行ってしまう都合のよさがバカバカしくてやっていられない。結局シニア版「アブ・アクチュアリー」が関の山。妙齢になって恋をしてはならないとは全く以て思わないけれど、あまりにも精神年齢の低い恋愛ばかりで、どうにもこうにも興味を惹かれないのである。本当に世の大人たちが、そして人生経験を積んだシニアが見たい映画って、これなのかなぁ?と思ってしまう。大人を更に飛び越えたシニアたちの物語なのだから、そんな「ラブ・アクチュアリー」みたいな話ではない、もっと深いエピソードが描かれても良さそうなのに・・・である。
今回で唯一、と言っていいくらいちゃんとストーリーとして見られたのは、マギー・スミスの存在くらいだ。スミスが作品に投げかける毒っ気も物語を引き締めるし、他のシニアたちの浮ついた悩みよりも数段上のレベルの含蓄で映画の中に君臨しており、年輪を重ねた深みが唯一感じられる存在だ。そしてそれを演じるスミスがまた風格があってチャーミングでいいではないか。前作ではあまり絡みがなくて物足りなかったスミスとジュディ・デンチの共演シーンが(わずかながら)増えたのもうれしい。いっそのこと、この二人の憎まれ口叩き合いながらの絆の物語にしてもよかったのではないか?と思うほどだ。
ただ、ジュディ・デンチのファッションだけは前作に引き続き相変わらず素敵で美しい。ストールのような長い布を片側の肩から無造作に掛けてなびかせるファッションも洗練されていてお洒落だし、体型を隠すでも誤魔化すでもない着こなしが実に良い。体型に囚われることなく、自然に着こなせる服選びが気が利いていて素晴らしいのだ。モデル体型ではないからとお洒落をあきらめる必要はまったくない、とジュディ・デンチが身をもって教えてくれるようだ。お洒落の参考になりそうだ。
前作の方がよかった。
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」の後に観ました。
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」で集中力を使い切ってしまったせいか、肝心な所をうっかり居眠りしちゃったりして、残念な事をしてしまいました。
でもこの映画はやっぱり最初のがおもしろかったと思います。
ベテラン名優の生き様を見よ的な。
ミュリエルのラストの行動は曖昧だし(消えるの?死ぬの?)、マッジと運転手もちょっと曖昧だし(結局運転手とラブなの?)、ソニーは思い込みの激しさと喋りすぎでイラっとする。ダグラスとイヴリンもやはり曖昧に思った。リチャードギアのソニーママへの口説き文句もうへぇって思うし、突っ込みどころは多い。だいたい披露宴の会場になった新しいホテルはシュープリームホテルじゃなくて、なんとかクラブやん?どして?
でも、マギーとジュディが会話していると、それだけでなにやら含蓄を感じてしまうし、華やかでダンスダンス!ダンス‼︎な結婚式はインドらしくて楽しいし、ビルナイがまごまごしてるのもかわいいし、地元の子供にマイクで原稿教えてもらうのとか面白いし、サリーを着た女性は美しいし、素敵なところもあって、突っ込みどころをまぁ仕方ないかと思ってしまう。
ミュリエルの紅茶とは!の熱弁などスカッとします。イギリス人の皮肉、好きですわ。マッジの相変わらずのムラムラしすぎなところも良かったっす。卵巣が震えるて!
曖昧といいつつ、ミュリエルの手紙は良かった。ジーンとしました。ミュリエルのメッセージというか、若者たちへのマギースミスからの意見のようで、よかったです。でも、あれじゃ死ぬの?って思っちゃうよ。多分リタイアしてマリーゴールドホテルを去るということなんでしょうが。だいたい融資先の会社の人が来たのはなんでなんでしょ?
ともかく、世界を代表する先輩方の生き様を見させてもらって、三十半ばでもう終わった人生のハイライトは過ぎた、みたいなこと言ってたらあかんなって思いました。いつまでも欲望に忠実に、冒険心をもって、皮肉を言いつつ、幸せを掴みに、いや、流れに身をまかせていこうと思いました。相反することもどちらも真実ですよね、光の当て方次第だ。
ダウントンアビーファン的には、ダグラスの離婚してない妻(そんな設定でしたかね?前作見直さねば)役の人が、イザベルクローリー役の人だったことにとても盛り上がります。バイオレット様とイザベル様がこんなところで!輪廻転生??
ジュディディンチにもマギースミスにももう少し新作に出てもらいたいと勝手に願ってます。
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