ロスト・リバーのレビュー・感想・評価
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思い出の虜囚
この映画はデトロイトを初めて訪れたときの、ライアン・ゴズリング自身の衝撃がベースになっているらしい。 凋落したとは言えアメリカ第4の大都市だったこともあり、エミネムのような時代を代表するアーティストを排出した街でもある。 栄華を極めた伝説の街。外国人だからこそ受ける衝撃、というのもやはりあるんじゃなかろうか。 実際、「ロスト・リバー」のさびれっぷりはヤバい。廃村レベルの過疎だ。 住人はどんどんいなくなり、街は街の体裁を保てないほど荒れて、それなのに主人公一家は街から出られない。 聞いた話だが、思い出というのは場所に紐付いているのだそうだ。立ち寄ればふと思い出す、他愛ない会話やちょっとしたアクシデント、あの時の気持ち。 なるほど「ロスト・リバー」のビリーは祖母から受け継いできた家に執着するがゆえに、街からも出られず苦しい生活に陥っているように見える。 冒頭に出てきた街を去る老人も「ここには思い出が沢山ある」と言い残した。 ラットの祖母なんかは思いっきり思い出にどっぷり浸っている。 もう1つ挙げるなら、「水に沈む」というのは不安や無力感を感じさせる。中身の見えない心細さ、生存できない空間への恐怖、もう元に戻らない諦め。 貯水池に沈んでいる街は、思い出を捕らえて離さない。この街の「呪い」とラットは言うが、確かに一見合理性のない執着は「呪い」と言っても差し支えないように思う。 リアルの印象をファンタジー溢れる「呪い」に落とし込み、何故だか目が離せない不思議な魅力があった。 だだ、もうちょっとこう、「キレ」みたいなものが欲しかったよね。映像とかとても幻想的で綺麗で、心地良いんだけど、むしろちょっと不快感があるくらいの方がストーリーを進める推進力になったんじゃないかなぁ。 結構好みな映画なんだけど、いまいち物足りないのはそのせいかも。
美しい絵を撮りたいなら、まずはシアーシャを美しく
個人評価:2.8 俳優ライアン・ゴズリングは大好きですが、本作はやりたい事だけをした、1人よがりの作品としか見えない。デヴィッド・リンチの様な世界観を出したいが為に、カルトな絵と物語の辻褄を合わす為に、呪いを使ってしまう脚本力の無さはがっかりだ。 絵として美しい映画を撮りたいのであれば、まずは宝石の様なシアーシャ・ローナンをもっと美しく撮らなくては。
R・ゴズリングの趣向を感じる監督作
映画「ブルーバレンタイン」に「ドライヴ」などスタイルにセンスのある役者だと思っていたがR・ゴズリング自身にセンスがある人物と理解出来る監督作。 映画のLOOKに映像と特に色彩感覚、怪獣映画や恐竜の頭に少々のグロ描写と。 そんなんが好きなんだなぁとヤッパ個人的に好きだワ、役者としても人としても。 ストーリーは静かにラストは単純に雑な感もするが頑張れゴズリング。
悪くは無いのが悪の半端者。
ムニャムニャセリフで、いつも眠そうなのに人を惹きつけるゴズ様の初監督の一本。 が、ニコラス師匠の影響受けすぎだってばよ!苦笑 作品として悪い訳ではないが、演出は師匠の模倣。 物語は「MUD」の異口同音、カタル仕切れない劣化版。 かといって悪いことは無い、観られるアート映画なんだけれど。 アート映画にしてはぬるい。 頑張れゴズ様!の作品。
偉大さは一日にして得られず
キューブリックやテレンス・マリックやデヴィッド・リンチどころか、直接の師匠であるウインディング=レフンのつま先にすら及んでおらず、にもかかわらずこっぱずかしいくらいに明け透けな「アメリカへの幻滅」もの(家賃が払えず取り壊される家や燃え落ちる家のモチーフの芸のなさ)としてグレート・アメリカン・ノベルを目指そうとする気合の空転ぶりに目をつぶりさえすれば、それなりにすがすがしく愉しめはする。
視覚と聴覚の印象のズレが“作家性”を感じさせる作品。
ライアン・ゴズリング初監督作品。 設定、展開、色彩、音楽。 各要素の新鮮味は然程無いですが。 組み合わせた結果は非常に個性的。 意図的に配置/結合され“作家性”が色濃く出ている。 何の希望も無い話が。 陽気な音楽の中語られる。 起きている事象は悲惨、凄惨だが。 画面に現れる小道具は何処か間が抜けている。 その違和感に妙な可笑しみが。 と同時に組合せの妙に趣味の良さも感じる。 ライアン・ゴズリングの作家性を堪能出来る作品となっていました。 視覚と聴覚の印象のズレが“作家性”を感じさせる本作。 終盤の展開は突飛かつ間抜けで思わず笑いが零れたのですが。 声を出して笑っているのは少数派。 決して万人受けする作品とは言い難く。 ライアン・ゴズリング×ニコラス・ウィンディング・レフンの作品にグッとくる方であれば楽しめると思います。 オススメです。
好みが分かれる特異な世界観。瀕死の街で生きる家族の物語。
【賛否両論チェック】 賛:死にかけた町で、家族と生きるためにもがき続ける主人公達の姿が切ない。 否:思いのほか単調で静かに進むので、好みに合わないと眠くなること必至。グロシーンも少しあり。 “ダム建設”という特異な事情から、死にかけてしまった町を舞台に、生きるために戦い続ける主人公・ボーンズや、家族を守るために必死で働こうとする母・ビリーの姿が、とても切なく描かれます。そして、そんな彼らに迫り来る残酷な現実もまた、胸を締めつけるものがあります。 ただ、かなり独特な雰囲気の静かな世界観なので、好みは極端に分かれそうです。 舌を切ったり動物を切り刻んだりなど、グロテスクなシーンも結構あるので、その辺は気をつけてご覧下さい。
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