「エアーズロックかと思ったけど、オール南アフリカロケだった・・・(恥)」悪党に粛清を kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
エアーズロックかと思ったけど、オール南アフリカロケだった・・・(恥)
まずは開始から10数分で復讐を果たしたジョンことマッツ・ミケルセン。この時点では感情移入する暇もなく、新たに復讐の連鎖が始まりを告げていたのだ。しかし、この暗さは何だ?マカロニウエスタンも本場の西部劇からすると暗いジャンルになるのに、さらに上を行く暗さ。デンマークウェスタンというより南アフリカウエスタンと言っていいのかもしれませんが、可能にしたのは高感度なデジタルカメラのおかげなんだろう。
途中からは西部の町。悪党のデラルーが用心棒として仕切っていて、誰も歯向かうことができないでいた。神父兼保安官も言いなりだし、葬儀屋兼町長も言いなりどころか、油田を中心にした土地をせっせと買い叩いてデラルーに貢ぐアリサマ。みんな終わってんな・・・といった、ウェスタン・ノワールのごとく退廃した映像でガンガン攻めてくるのです。
ヨーロッパの中でもドイツ国境に接し、何度も領土が変遷した中で、1864年に第2次シュレースヴィヒ戦争が起こり、プロイセンとオーストリアに屈したというデンマークの歴史。この荒廃した土地から逃げるように新世界にやってきたのに、ここでも小さなコミュニティには王とでも言うべき悪党が独裁者のごとく仕切っていて、誰も歯向かえない。ジョンにとっては兄貴も殺されたため、復讐のターゲットとなったのだが、ドイツとの戦争も経験してるだけに緻密な計算で単独で戦うことになった。雑貨屋の息子もばあちゃんを犠牲に差し出された恨みで、彼に加担するのだが・・・
ちょっとでも権力を握ると利権を得られる小悪党。保安官も町長もクズだった。だけど、これだけ人が殺されるんじゃ葬儀屋が儲かりそうだなぁ・・・