「渋く骨太だが少々薄味な作品。」悪党に粛清を Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
渋く骨太だが少々薄味な作品。
マッツ・ミケルセンが終始渋い。
冒頭申し訳程度に笑みを浮かべていたが…以降は苦渋の表情。
大袈裟に声を荒げる訳でもなく淡々と事を進めていく。
銃の名手という設定も活かして正確無比な殺人機械を体現。
そのマシン感、チラと見せる人間感に痺れました。
周りを固める人物達も渋い。特に眼が良い。
埃舞う荒地に生きる人物達。
“狩るモノ”と“狩られるモノ”。
弱者が容赦無く蹂躙される社会で虐げられる弱者が強者に牙を剥く。
弱者は弱者の諦観漂う眼をして、強者は野性味溢れる眼をしている。
眼が表す人間の強さが話に納得感を与えていました。
惜しむらくは終盤の決戦。
溜めに溜められた鬱屈した気持ちが爆発する…すべき場面にも拘らず。
かなり地味。規模が小さい。
マッツ・ミケルセン一人が相対する仇の数を現実的なラインに設定したのかもしれませんが。
如何せん盛り上がりに欠ける。
現実感を犠牲にしても今回の倍の数はこなして欲しかった。
その点は非常に残念でした。
渋く骨太だが少々薄味な本作。
マッツ・ミケルセンの渋さにノレる方は十分楽しめる作品だと思います。
オススメです。
コメントする