不屈の男 アンブロークンのレビュー・感想・評価
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オリンピックの顔と顔。それ、ちょちょんが♥
渡辺さんがなぜ彼に辛くあたったのか?理由が分からない。
昨日、オシフィエンチムと言う街の収容所を見に行った。死ぬ迄に一度は見ておくべきと思い見に行った。2000年も前の古墳の様に思えた。しかし、僕の生まれる12年前まで墳墓ではなく、生きた人間を収容していた場所なのだ。
さて、その場所と比べると、このストーリーに出て来る場所は雲泥の差であった。
僕が見たそこは人間を家畜以下に扱い、挙げ句の果てに墳墓に納めると言う行為をやっていた場所だ。そしてさらに恐ろしいのは、この映画の主人公みたいな兵士の収容所ではなく、一般の人達の収容所だった事だ。
僕にとっては『オシフィエンチム』が
二度と行きたくない場所になった。
さて、余りにも酷い世界の現況を鑑みると、その場所が本当の古墳になる前に、地球全体が収容所と化し墳墓と成り果てて、我々知的生命体と呼ばれる種は絶滅するのかもしれない。
さて、
この映画の主人公はイタリア系アメリカ人ゆえ、世界的な名声も含めて、捕虜として優遇されていたはずだと思う。それにしても、並外れた生命力だね。それは絶賛に値する。
日本軍に捕虜されても諦めなかった元オリンピック選手の実話
かつて元オリンピックでマラソン選手として活躍した男が戦争で漂流そして日本軍に捕虜されて収容所での生活をされてしまいます。
日本兵による過酷な強制労働に罰されても諦めなかった男。
そして終戦後に帰還、家族との再会で男はどう感じたのか。
私が言えたことは、これからも二度と理不尽な強制労働をせず平和な時代が来ることを誓っています。
不屈の人、罪を憎んで人を憎まず・・・
主人公ルイス・ザンペリーニさんの数奇な運命の伝記に惹かれて、あのアンジーが監督を買って出たのだという。彼は高校時代にベルリン・オリンピック5000mに出場、その後B-24の爆撃手として太平洋戦争に従軍、機のエンジン故障で海に墜落し47日間の漂流と、2年間の捕虜生活の末、生還する。映画は捕虜時代の虐待に耐えるところが主なので日本人としてはなんとも辛いですね。
ただ、収容所長の渡辺がルイスと同じオリンピックに出ていたような意味深なシーンを入れるので、レースに負けた個人的な妬みで虐めているように見えて錯覚してしまうでしょう。
渡辺の部下たちの証言では根っからのサディストだったらしいが気の小さい男ほど権力を誇示して部下に舐められまいとするパワハラの典型かもしれない、本人は鉱山や旅館を営む裕福な家の出で、早稲田の仏文を出て同盟通信社に勤めていた経歴なので英語が話せたのだろう、ルイスを米国への宣伝放送に使おうとするくだりは、その辺の縁なのだろう。ルイスが逆らったので顔を潰された格好の渡辺は憎さが倍増、虐待がエスカレートするのだった。
なぜ俳優でもないMIYAVIが演じるのか疑問だが粗暴な軍人タイプでないだけに妙な不気味さは出ていました。
渡辺は捕虜虐待で戦犯とされたが7年間逃げ延び訴追を免れたのだが本人は反省どころか軍務と開き直っていたらしい。ルイスはPTSDに悩まされたが妻の影響で宗教の道に入り、捕虜時代の虐待を許す気持ちになったと言う、まさに罪を憎んで人を憎まずを実践した不屈の人でありました。
それはそれとして、捕虜たちが大森から直江津に移送されるシーンで米軍の爆撃で焼け野原になった東京の市民の死体累々の中を茫然と歩くところに注目、爆撃手でもあった主人公の胸中は複雑だったであろう。映画では1分足らずの短いショットでルイスの表情のアップも無い、アンジーの信条としての人類愛がテーマであればこのシーンにもっと力を注ぐべきだった、単に理不尽に耐えた不屈の人を讃える映画になってしまう所がアンジーの力不足ということでしょう。
端折られた所こそ、本当に大切な所なのでは?
実在の人物ルイス・ザンペリーニの戦争体験を映画化。
オリンピック出場経験もあるアスリートのルイに襲い掛かる様々な苦難と、それを乗り越える不屈の精神を描く戦争伝記映画。
監督/製作は『Mr.&Mrs. スミス』『マレフィセント』の、オスカー女優のアンジェリーナ・ジョリー。
脚本には『ファーゴ』『ノーカントリー』の、オスカー脚本家ジョエル&イーサン・コーエン兄弟が参加している。
主人公ルイの戦友フィルを『ハリー・ポッター』シリーズや『アバウト・タイム』のドーナル・グリーソンが演じている。
やれ反日映画だの、やれプロパガンダだのといろいろと言われた映画らしいのですが、内容は全くそんなことはなく、苦境に晒されながらも耐え抜く精神の尊さを描いた作品でした。
映画では主人公のルイがこれでもかというぐらい酷い目に遭い続ける。
飛行機の墜落からの遭難、日本兵の捕虜にされ、虐待&強制労働…
ルイの苦しみをたっぷり描写することで、そこからの解放によるカタルシスを高めようという意図はわかるのですが…
やっぱりねー、退屈なんです。全体的に。
ボートでの遭難までは物語が進むのでそれなりに面白い。特にルイがオリンピックに参加するまで、そしてオリンピックの描写はかなりワクワクします。
オリンピックの開会式で、日本の選手と目が合い互いに会釈する。あそこの描写なんかは上手い。平和の祭典とその後の戦争の対比がしっかりと描かれています。
ただ、ボートでの遭難のシーンはイマイチ。尺をたっぷりとっている割には起こる出来事が想像の範囲内だし、遭難中は物語が前に進まないのでモヤモヤする。
あんなにサメってボートを襲うの?とか、50日遭難した割にはヒゲとかあんまり伸びてないな。とか気になるところもあった。
ただ、この遭難シーンの為に役者陣は相当身体を絞っており、そこは凄かった。ドーナル・グリーソンとかガリガリすぎて心配になる程でした。
遭難から助かったあとは、日本兵の執拗な虐待…
ここはやはり日本人として座り心地の悪さを感じる所。
ただ、ここも描き方に違和感がある。
渡邉睦裕という収容所の責任者。彼は史実上捕虜の虐待を行なっていたという酷い男。
この男が、ルイを執拗に苛めるわけです。
ぶっちゃけここはほとんどBL映画の世界。やけに顔が近い。アンジーの趣味か?
ボーイズ・ラブ的なのはまぁ良いのですが、やっぱり日本兵をあまりに悪く描き過ぎている様には感じました。
渡邉睦裕を屈折したサディストとして描くのはわかるのですが、やはり収容所にはそれなりに倫理観を持った軍人も居たはずです。
そういった日本人とルイの交流の描写もあって然るべきだと思います。そうすればより渡邉の悪さも引き立ちますし。
あとは、収容所のパートからフィルの影が凄く薄くなる。物語から姿を消してしまう。
フィルをルイの相棒として描き、監獄物にはお馴染みのバディ・ムービーにしてしまえばもっとエンタメよりの面白さが出たと思う。
クライマックスでのルイが木材を持ち上げるシーン。あそこが顕著ですが、ルイはキリストと重ね合う様に描かれている。
苦難に遭いながらも、汝の敵を愛するという映画のテーマを表す為には妥当な所だと思う。
しかし、この映画ではルイを襲う苦難にばかり焦点が当てられ、彼が敵を赦す様になるという描写がない!
映画の最後に、字幕とスライドにより説明されるだけ。
いやいや、此処こそが一番大事な所だろー!
PTSDに苦しみながら、信仰と愛により日本を赦す。クライマックスでは長野オリンピックの聖火ランナーとして日本で走る。
此処が大事な所であり、しっかりと描くべき所なのでは?虐待描写に時間を割くなら、こっちを重視しろよ!
渡邉睦裕は戦後指名手配されながらも逃亡の末に起訴を免れた。
ルイが来日した時も、彼と会う事を拒んだという。
過去を乗り越え敵を愛したルイ。自らの罪から逃げ続けた渡邉。
此処の対比こそが最もこの物語が語るべき事であり、そこの描写が抜け落ちていることは勿体ないとしか言いようがない。
全体的に鬱屈としていてわざわざ好んでみる程のものではないと思う。
大森収容所から異動した渡邉が、直江津収容所に居たっていう展開は、ルイのリアクション含めてちょっと笑える名シーンです。
映画はこの目で見て、何を思い、何を感じたか
ベルリンオリンピック出場後、第二次大戦で日本軍の捕虜となったルイス・ザンペリーニの実話を元にしたアンジェリーナ・ジョリー監督作。
日本公開に至るまでの一悶着は一旦置き、まずざっくばらんに感想を。
壮絶なまでにドラマチックな半生!
問題児、イタリア系であるが故にいじめられた少年時代。
足の速さの才能が開花し、遂にはオリンピックに出場、好成績を残す。
パイロットとして出兵、エンジンの故障により太平洋上に不時着、仲間2人と共に漂流。
47日目、地獄のような漂流生活に終止符が。
しかし、待っていたのは、別の地獄だった…。
日本軍の捕虜となり、虐待、強制労働…。
その酷い仕打ちの数々。
オリンピック出場という目立つ存在だったらか、それとも悪魔との出会いか、収容所所長・渡邊伍長に目を付けられ、人一倍“可愛がられる”。
“敬意”のシーンは戦慄…!
やがて渡邊は昇進で収容所を去り、ルイスも別の収容所に異動、そこで出会ったのが…((((;゜Д゜)))
原作小説では日本人が人肉を食らうなど鬼畜の描写が問題となり、その映画化という事もあって当初は日本公開がボイコットされる事態に。
小規模ながら劇場公開され、やっとレンタルになって、実際見て思った事は…
これの一体何処が反日!?
確かに日本軍は鬼畜の描かれ方。
自分もあの渡邊伍長の蛇のような目を見る度に虫酸が走った。(最もこれは、演じたMIYAVIの憎々しい演技が見事なのだが)
しかし、戦時中の日本軍の悪行は歴史的事実。
だから今も反日なんて感情が根強く残る。
ここで間違えないでほしいのは、当時の全ての日本人がそうではなかったという事。
一般市民は戦争の被害者であり、軍部でも戦争に疑問を抱く者たちも居た。
ただ、ほんの一部、権力や地位を盾にした愚かな輩…。
同じ日本人でも、そんな輩には一切共感出来ないし、戦争が狂わせた…なんて安易な理由で擁護もしたくない。
本作はあくまで、ルイス・ザンペリーニの伝記映画。
そして、監督アンジェリーナ・ジョリーが最も伝えたかったであろう赦しの物語。
あからさまに日本を悪く貶めようとする描かれ方は感じなかった。
ボイコットした連中はこの映画を見た上での意見だったのだろうか。
いや、見てる筈がない。
だって、日本ではまだ公開されていなかったのだから。
見もせず、知ったように文句を付ける。
そういう輩は映画ファンの敵。
文句は見てから言え。
見た上でそう感じるのなら、それは確かな意見。
自分のような反対意見もある。
意見を戦わせる事が出来る。
映画鑑賞最大の醍醐味。
人それぞれ、その映画を見て、何を思い、何を感じたか。
ここでちょっと自分の意見になるが…
こういう映画はちゃんと見せるべきだ。
殊に日本の戦争映画は、美化して涙を搾り取ろうとするものばかり。
当時の悪行を包み隠さず見せ、反面教師的に戦争を考えさせる。
それを妨害しようとする輩は、未だ大日本帝国下に居る。
ルイス・ザンペリーニの不屈の精神。
十字架に磔にされたキリスト如くのあるシーンは胸熱くさせられるものがあった。
その“半生”としては文句の付けようがない。
が、“映画”としては残念な点が。(それ故、採点4にならずに3.5に…)
最も大事な“赦し”のシーンがエンディングにて簡潔に説明されるだけで、劇中にて描かれてない事。
そこはしっかり描かなくちゃダメでしょ!
歴史的事実なのだからしょうがないけど、例えばルイスが長野オリンピックの聖火ランナーとして“凱旋”した時、渡邊と三度再会、渡邊がルイスに土下座し泣きながら懺悔するシーンとか脚色でもいいから欲しかった~!
折れない心
主人公の折れない心がどうして育まれていったのか、彼のその心が戦争、漂流、捕虜収容所で彼を救う。しかし反発も招いた。
捕虜収容所では所長の酷い虐めにさらされる。若い所長は陰湿で異常に思える。
主人公の記憶を元にした再現であるためか、演出なのか、捕虜収容所の苦難の原因はこの所長一人に帰せられている。そこが戦前の日本人には捕虜になることは許されていなかったという、帝国軍隊の人間軽視の構造には迫っていなかったと感じた。しかし、その構造だからこそ彼のような人格が存在できたとも言えるのだが。
ラストのルイが長野オリンピックの聖火リレーを走る場面に一番感動した。
この場面を見せるための映画と思えるくらい感動した。ニコニコしながら聖火を持って走っているルイの表情に大きな赦しを見た。
肝心な処がかけていた
漂流シ-ンが長すぎだろう。もっと戦後、日本を許せるまでの葛藤するスト-リ-が見たかった。戦メリを意識しすぎたのかな。割と娯楽色が強く、真実より脚色しているなと感じた。収容所のトラウマから、立ち直りオリンピックへの夢を復活させるまでの、道のりを到達させる主人公の苦悩な人生が見たかった。社会派感覚で描いてほしかったです。
日本公開時は退屈な前半100分はカットすべき。MIYAVIさんが出て来てからが面白くなる。
いや、勝手に赦されましても。
幼少期のルイスは、かなりやんちゃな子でした。
しかし彼を真っ直ぐな道に向かわせたのは、キリスト教による信仰心と、優しい兄の導きでした。
教会のシーンで「汝の敵を愛せ」と赦しの教えがあり、兄みたいにはなれない「I'm nothing」だと嘆く弟に、「成せばなる。諦めるな」と導く兄。
兄の教えが苦境にあった時のルイスを支え、そして信仰が、戦後ルイスを立ち直らせることとなります。
この幼少期から太平洋漂流から日本の捕虜になるまで、100分。なかなかな尺で漂流シーンを見せてくれるのですが、水飲みたい、腹減った、カモメ捕まえて食べる嘔吐、魚捕まえるうまうま、サメを素手で確保、くらいしかイベントがないので、100分の説明省きます。すみません。
捕虜になったルイス(ジャック・オコンネル)は、大森の捕虜収容所に送られます。ここでルイスは、ある看守と出会います。ニックネームはバード。ワタナベ軍曹(Miyavi)です。
本作では日本軍の残虐非道ぶりというよりは、この"バード一人"のサディスティックさ、異常さとして描かれています。
バード登場シーン、影の中のバックショットを観れば、みんなこう叫ぶでしょう。
「坂本龍一じゃん!」と。
そう、戦メリの坂本龍一さんに似ています。しかしバードはもっと美しく妖しく暴力的で、その異常さは虐待の仕方にも表れています。
初日からルイスに目をつけたバードは、こう言います。
「自分を見ろ」
ルイスが視線を合わせると、顔面を棒で殴打。
「自分を見ろ」見ると殴打。見ろ!見ると殴打。そして最後に「俺を見るな!」と殴打です。もう、何がなんだか分かりません。
「オリンピック選手だれー?」
ルイスが手を挙げると、日本兵と競争させます。でも飲まず喰わずでふらふらのルイスは、転倒して負けてしまう。
「You're nothing!」とボッコボコ。肉体への暴力だけではなく、精神面までダメージを与えるやり方。
夜間、いきなりルイスのところに現れるバード。ベルトで耳が千切れるほど殴ります。でも、一旦ちり紙を差し出して「傷をふけ」と。ルイスが傷を拭いた後に、またベルトで殴打です!
優しさを見せて、希望、期待をさせて、それを打ち砕くやり方。人間を無気力化するやり口が、ある意味凄いです。
ルイスはオリンピック選手ということもあり、ラジオ局に呼ばれて日本側のプロバカンダに協力するように言われます。しかしルイスは嘘は言えないと楽な生活を拒否して、大森収容所に戻って来ます。
バードは言います。
「お前は自分(バード)に似ている。俺たちは強い。最初にお前を見た時から分かっていた。自分達は友達になれるだろう……。しかし、お前は日本の敵だ」
そう言って、捕虜一人一発ずつルイスの顔を殴るように命令します。
しかしバードとルイスの別れは突然です。お楽しみ会?を行っている最中、捕虜に混じってルイスの隣に腰掛けるバード。妖しげな笑みでこう言います。
「悪いニュースだ。友にさよならを言わなくちゃいけない。自分は明日、大森を去る」
友、勿論ルイスのことですよ。
しかし大森収容所は爆撃に遭い、直江津収容所へ。そこに行くと、またいるんです!彼が、バードが!
重労働でふらふらしてるルイスは、バードに角材を持ち上げるように言われます。部下に、下ろした撃ち殺せと命令して。
ルイスは耐えます。お兄さんに諦めるなって言われたから。「nothingじゃない!」と。アンブロークン!
この時のMiyaviさんの表情が秀逸です。ルイスの精神力の強さを単純に驚き、圧倒され、興奮し、尊敬の表情さえ浮かべます。しかし最後には、恐怖に変わって「俺を見るな!」
と、ルイスを殴打するんです。
部下達を下がらせ、倒れたルイスの横で跪くバード。
なんで殴ったか?きっと敵であるルイスの強さに、同じ男として魅せられ、惹かれ、尊敬した。しかし、相手は敵です。バードは湧き上がった感情に戸惑い、恐れ、その感情を打ち消す為に、ルイスを殴打したんです。
「シンドラーのリスト」でレイフ・ファイアンズ演じる将校が、召使いであるユダヤ人女性を「俺を誘惑するな!」と、湧き上がる欲望を否定する為に殴るシーンがありますが、心理状態としては同じだと思われます。
かくして終戦を向かえます。
ルイスはアメリカに無事に帰国しますが、その後のことはテロップで説明されます。
ルイスは冒頭のシーンにあった信仰心を取り戻し、復讐ではなく赦しが必要だと気が付くんです。「敵を愛せ」と。
そしてバードに会いたいと申し入れますが、拒否されます(実際のワタナベ軍曹の写真が出ます。戦後、戦犯になるのを恐れ、逃げ回っていたと説明あり)。
最後は八十歳になったルイスが、長野オリンピックの聖火ランナーをしているシーンで終了です。
つまり、アンジーが言いたかったことはこうでしょう。
「戦争中は双方に残虐行為があるでしょう。けれどそれを赦さなければ、真の平和は訪れないんですよ。復讐ではなく、赦し」
分かります。その通りだと思います。
本作は反日映画ではありません。
戦争で互いに色んなものを失ったけれど、お互いに赦し合いましょうよ!という映画です。なんともおおらかで、お気楽な、鈍感な映画なんですよ。
しかし、もっと意地悪く解釈するならこうです。
「私達(アメリカ人)も貴方達がしたことを赦すから、貴方達(日本人)も私達のしたことを赦しなさい」
敗戦国、勝戦国の、対等ではない関係性の中での「赦し」って、どの立場から言い出すといいんだろうか。
アンジーの言いたいことはよく分かるけれど、正直「勝手に赦されましても」と思ってしまった。
日本を愛してやまない方達の反発により、本作は日本では(現在のところ)公開未定のようです。けれど日本軍の残虐性ばかりクローズアップされてる!反日!という指摘は、的外れのように思う。
そんなことより、アンジーがいう「先に赦すよ」感を突っ込まなくていいの?
あと、本作が俳優デビューのMiyaviさんの演技は、一見の価値あり(ブラックレインの松田優作に次ぐ衝撃を受けました)。堂々の悪役っぷり!
てか、彼の演技で本作の200分越えを何とか観られたんです。
ミュージシャンとしてもかなりユニークな方のようなので、今後注目して行きたい!
※ネット上で噂のカニバリズム行為は、映画では出てきません。残虐行為と思われるシーンは、ほぼ書いたつもりです。
大切なのは生き抜くこと、憎むよりも許すこと
試写会で観た。
高校生の頃に陸上のオリンピック選手だった青年ルイが、第二次大戦の空軍兵となり、壮絶な人生を歩む。
実話の映画化。
途中、日本軍の捕虜となるシーンでは、辛い場面が続き、観ているのもしんどい部分があったけど、それを乗り越える不屈の精神に感動。
主人公、ルイの空軍仲間であり、友人のフィルを「アバウトタイム」のドーナル・グリーソンが演じてる。
最近、観る映画、全部、この人出てんじゃないの??と思うぐらい、よく観るわー(笑)
そして、共同脚本には、コーエン兄弟の名前が。
笑うシーンなんて、ほとんど無かったから意外だった〜。
まぁ、結局なところ、人間は、辛いことを経験すればする程、心が広くなるんだなぁ。
しみじみと、そう思う映画だった。
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