恋人たちのレビュー・感想・評価
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無名の俳優陣は生々しくインパクトあり
リリーフランキーさんや極限られた出演者を除いては
主人公の御三方はじめ、殆どが知らない役者だったことが リアリティを強め スクリーンからひと時も目が離せないドギマギするような不思議な威力を自分は受けてしまった。観る前まではまた例によって途中で寝てしまったたらどうしようなんて心配(汗)今回は無用だった(;^_^A 笑
三人の恋人たち?の中では主婦の瞳子が同性として
剥き出された女の性をうまいこと見せてるなと。良い悪いじゃなくて、体張って表現してるのが見所かと思う。
無残なやり方で最愛の人を失い立ち直れないアツシの筋道は分かりやすさ感はあったけれど、内面の膿が表皮に出て瘡蓋となっていくまで、負の感情がこれでもかこれでもか!と、観ている私達も知らず知らずに共有して苦しかった。彼の再生を手助けしてくれたのは職場の上司の存在。「 腹一杯食って笑っていられりゃ何とかなるさ 」 は確かに弱った心に染みる優しいお粥みたいだ。
右良し、左良し、、、空 良し!!
船で湾岸を行くビルの合間から見えた青い空は
今迄は背中丸めうつむいてばかりだったから気付けなかったのだろうな。
少しだけでいいのだ。昨日とは違う何かが見つけられれば、人はまた前に進もうと、もがいてみようとするのかもしれない。
「恋人たち」を観て・・
本作ではなく橋口監督の次回作品に早くも期待します!
この世の中は不公平なものなのだ!
公平な事など一つも無いのかも知れない!
もしも世の中で公平なものが有るとすれば、
命あるものは必ず死を迎える事。
そして、人間に与えられた、1日の時間が
皆、24時間で有る事位しか公平な事は無い!
だが、そのちっとも公平ではないこの世の中に有って、
人間は何かしらその生涯に於いて、必ず愛する対象物や、
愛する人をみいだす。
だからこそ、それが愛おしく大切な存在となる。
そして、その一番身近な存在が「恋人」なのかも知れない。
この映画に登場する人々は皆それぞれが不器用な人間ばかり!
そんな彼らの日常を捥ぎ取って描いたのだから、みな生き辛そう
で当たり前だ。
映画を観ていてゾットするような救いのない人達
延々と続く出口の無いトンネルを彷徨う人々
でも、本当に世の中こんなひとばかりで、
生き辛い日常なのだろうか?
作品の登場人物達が本当に実在しているとしたら、
さぞや生き辛い事だろう。
しかし、これはフィクションですよね?
もう少し明るい人達が存在しても良かったのではないだろうか?
この広い世界に目を向けたなら、今の日本の世の中は
もっと輝いて見えても良い筈だろう。
橋口監督「ぐるりのこと」から7年振りのメガホンが
この作品と言うから驚きだ。
ゲイである事をカミングアウトして映画監督になった
橋口監督なればこそ、身近に偏見や差別を日々受けて、
葛藤を胸に生き続けてきたのかも知れないし、
或いは普通に暮らしているのかも知れない。
しかし、監督の日常がどうであれ、そんな彼の目線は
いつも生き辛い人々にスポットライトを当てている。
優しい目線と言えば、それは橋口監督の優しさなのかも知れない。
今回も橋口作品、愛する人と死別や、別れ、詐欺等
波乱万丈の登場人物が飛び出し、時に笑いも誘います。
しかし、この世の中、辛い人々でもしも、溢れかえるなら、
それらはもはや人々の普通の日常になって、
映画で表現する迄もないような気がする。
人は普通に暮らす事、これが何にもまして大変なものなのだから、
そこに明るい輝きが欲しいものだ。
初期の橋口作品は、もっとはじけている印象が強い
この作品も映画賞を受賞しているけれど、
次回作ではもっともっと橋口監督には
辛さも笑い飛ばせるようなおもろい作品を
制作して欲しいと願わずにはいられないのだった。
右よし、左よし、空よし
瞳子の夢は?
妻を通り魔に殺され、犯人を殺したいほど憎んでも殺すことも出来ず死んでしまいたいほど自分自身がやるせないけれど死ぬことも出来ないアツシ。そんなアツシを片腕がない同僚がたどたどしい言葉でいたわる。
苦しむ人間に声をかけることが許されるのは
その人に心から苦しみから抜け出して欲しいと願う人だけだ。
瞳子が怪しい美人水を買って嬉々として顔や首につけている。
女ならば誰も瞳子を嘲笑うことはできない。
瞳子の夢はなんだったのか。
子供を作ることを許してもらえなかったから
肉屋の弘に一途な思いになり弘の子供を産みたかったのか?イラストを褒められて、作家になりたかった夢を思い出したのか?
薬中毒の弘の前に呆然と立ち尽くし流した涙の意味を知りたい。
アツシが携帯を触りながら呟く「昔の友達はいまも友達でしょうか?」はあとに残る。
バランスの悪い肩透かし映画
生活感がリアルで重い群像劇
横浜シネマリンで2016/02/08に鑑賞。
タイトルからして恋愛物っぽいと思って観たら、それぞれ重い悩みを抱えた3人の生活感溢れる群像劇だった。
妻を通り魔に殺された男、篠塚アツシは基本的に真面目だし、妻を真剣に愛していたいい奴なんだが、相談された弁護士にとっては無茶な思い込みで無理な裁判を起こそうとする困った依頼人。篠塚アツシの職場の先輩の黒田大輔がいい人でこの映画の唯一の救いだったなあ。
弁当工場パート主婦の高橋瞳子は要領は悪いが誠実で人はいい。だが家庭に問題ありとはいえ、不倫して駆け落ちまでする寸前だったのに、その相手がシャブ中だと知るとしれっと家庭に戻る強かさも持ち合わせている。
若手弁護士でゲイの四ノ宮、彼は同棲している若い恋人をぞんざいに扱いつつ、高校の頃から好意を持ち続けている相手には迷惑をかけないように誠実に対応している。また精神状態が不安定だと依頼人にもぞんざいになったりするムラっけのある性格。3人の主人公の中では一番クズかも?w本気で好きな相手には誠実なのが唯一の救いかな?彼の生活環境も唯一、生活感ないし、他の主人公とはちょっと異質。
それぞれいいところもあるし黒い部分も持ち合わせている、そんな生々しい人間描写が良かった。
ラストもそれぞれの悩みがスカッと解決するような終わり方ではないけど、一筋の光のようなものを示して終わる。現実もそうなんだよね。やけにならずに地道に前に進むしか無い、きっとそれしか無いんだ、そう思わせてくれた。
エール
観ていて苦しくなることもありましたが、大切なことを描いている作品だと思います。
『腹いっぱい食べて、笑ってたら、人間なんとかなるよ。』このセリフと表情が頭に焼きついて離れません。
現代を生きる人へのエール。
次に橋口監督が作品をつくるときは、どんな世の中かな…
人生の5年ごとに観返したい一本。
監督舞台挨拶ありでの鑑賞。
まさに「普通の人々の物語」の一本。
観ていて痛い、苦しい、息が詰まる。
それは主人公三組が決して突飛な人間ではないから。
誰もが抱える「日常の当たり前」と化したルーチンワークの中の行き詰まり。
そこ破ろうと少し足を踏み出す、そんな人たちの話。
三者三様、いろいろな痛み。
でもこれは特別なものでなく、日々生きていれば誰もの中にあるものだと自分は思う。
「自分は特別ではなく、また他人も特別である。」
禅問答のようだが、そんなことを感じた。
劇中に「救い」は用意されているのだが。
それを噛み砕いて観られるほど、個人的に抱える問題はまだ溶けるのに時間がかかるんだなと感じた作品。
「たった一人でいいんだよ」という監督の言葉と。
劇中、携帯のメモリを見ながら主人公がつぶやく
「昔友達だったあなたたちは、いまもともだちですか?」
その一言が忘れられない。
息がつまる
無差別殺人で妻を亡くし、毎日を生きるのが苦しい被害者遺族男性。夢とはほど遠い、退屈な毎日をおくる田舎の主婦。周囲から愛想をつかれるゲイのエリート弁護士。毎日を苦しみながら生きる3人のストーリー。
不器用な3人の負の日常のループ。加えて、何か不幸が重なり一度、階段から足を踏み外すと軌道修正を許さない社会。
自分自身が感じる今の日本の生きづらさや空気がそのまま切り取られていて、見ていてすごく息が詰まった。
悪い人じゃないけど気の合わない同僚、職場の程度の低いバカわらいと疎外感、変なトーンの喋り方……リアリティあるシーンが物語に現実味を与える。
俳優はこれが演技なのか、と疑うほど自然な語り口、ふるまい。聞き取れないセリフもあるほど。ドキュメンタリーを見ているような気持ちになる場面も。
橋口監督が描く繊細な空気感はヒリヒリ痛く、辛く。こんなに空気感というものが映像化できるのか、と舌を巻く。
繰り返し出てくるセリフ『くだらない世の中だけど生きていくしかない』これが映画のすべて。くだらない世の中だけど前へ進もう、いつもの優しいラストで救われる。
不器用な男女の群像劇
商品としてどうか
普通の人たちの群像劇。批評などを読むと、現代日本社会とそこに生きる「私達」をリアルに描いている、ということになっている。
私には全くリアルに思えない。
まず、主演俳優達の演技がつたない。そのつたなさが役柄の不器用さとかぶって見えるという印象はあるけれど、芸としての上手さが感じられない。リズムも良くないし、セリフの抑揚もなく、くどく聞こえる。
自分の伝えたい事を伝えるために創作したものは、あくまで作り物であって、現実としての力はもたない。素人同然の役者を使っても、ドキュメンタリーっぽい物にすぎない。役者そのものを描きたいならドキュメンタリーにすればいい。
テーマも「そもそも生きてくってそういうことじゃない?」という問題で、日本社会の問題を掘り下げているようには思えない。
全体に監督が感じていることを詰め込んだという印象で、お金をとるなら商品としてもっと整えてほしいと感じた。
なんか不幸な気分
それでも頑張ろう!
人対人の付き合いを濃くしようと動き始めた矢先に見た映画。
「そうそう、人付き合いってこうだよね〜」と、スクリーンに映る泥臭くてどうしようもない生きづらさを、ある種、懐かしみながら見ていられたのが序盤だけ。それぞれの生きづらさが徐々に色濃くなるに連れ、自分のダメさと重なることが多くなった。ラストシーンが今後の自分を写してしまうようで、このままどこまで堕ちて行くのだろうと心配になった。
でもそれでもなんとか生きていく。
ダメでもいいさ、いいこともある。
ラストシーンの空と笑顔、
そしてエンドロール後の風景が
清々しい余韻を残した。
あまり考えすぎず、自分らしく人と接する勇気をもらった。
いいタイミングでもらった希望。
つらい気分になる
女性も男性も負の側面ばかりが描かれていて、誰も魅力的に見えなかった。
特に奥さんを通り魔に殺された人は、犯人を死ぬほど憎んで国民健康保険を滞納するほど弁護士を当てにしていて、「自分はバカだから」と弱音を吐き、自殺未遂するほど苦しんでいた。見ていてつらかったのは、彼には勉強して自分で裁判を起こす覚悟も、殺人術を見に着けたり、殺害の方法を練るなどする覚悟がないところだ。「罪は罪であり、彼には立派に更生して社会に戻って欲しいです」とほほ笑んで話して、本心は誰にも言わず、犯人が自由になったら殺せばいいのにとしか思えなかった。
服役や死刑が怖いのだろうか。自分を安全な場所において石を投げようとしている態度にイライラして、そんな人の愚痴を見るのが苦痛だった。
更に彼の身近には軽はずみに天皇を殺害しようとして、腕を失った人がいる。その人の苦悩たるやどれほどの事だろう。そんな狂人を近くに置くことで、彼の立場を相対化しているような表現はどんな意図なのだろう。彼によりそった表現なのか、突き放した表現なのか、意図がよく分からなかった。全体的に辛辣な目線での表現なので、突き放していたのかなと思った。
川をボートで移動する描写の爽快感が素晴らしかったし、彼には天才的な橋の点検能力がある。周りの人も優しかった。舞台設定が東京なのか田舎なのかよく分からなかった。
スナックのおじさんと不倫するおばさんが、野ションしたり、雑におっぱいを見せたりと、とんでもない役だった。
立ちションするデート中のカップルが、女の子がブスなんだけどニコニコしていてかわいらしく、とても楽しそうだった。この映画で唯一楽しそうな場面だった。
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