「巻き返しの前日談」クライモリ デッド・ビギニング Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
巻き返しの前日談
今回は前日談ということだが、森よりかは廃病院が舞台となり、外は猛吹雪という新しいシチュエーションを加えている。屋内での出来事のためかスケールや行動範囲は狭くなっているが、狭いぶんより近くにいるかもしれないという恐怖を抱きつつ観賞することができる。あの甲高い笑い声が病院内でこだましているシーンはゾッとした。
カメラワークや構成は前作よりも質が高いように思える。相変わらずな部分の方が多いが、最初の犠牲者の血痕を見つけた際のシーン等はかなり不気味で良かったと思う。
今回は3兄弟をしっかり出してくれる為、前作の様なモヤモヤは残らない。その代わり、人間を食料として純粋に狩りをしていた初期の作品と比べると、殺しがいつの間にかゲームの様になっており、いかにグロくして殺すかがアップになってしまっているのが残念。これではただの胸糞3兄弟になってしまうではないか。
ストーリーはお決まりパターンで特にヒネリのある展開は期待できないが、スノーモービルを使ったシーン等雪山ならではの楽しみ?も用意されている。構成は悪くないと思うのだが、いかんせんヒロイン含む登場人物らの行動が目に余る。散々仲間を殺されておいて、立場が逆になって優位になった途端、「殺してはダメ」というベッキー似の主人公や、見張り役のメンズがお決まりの様に寝て殺されたり、感情移入出来ないメンバーが多い。レズの濡れ場が2度用意されていて新鮮だったが、別にそこに新鮮味は加えなくても良いと思うのだが・・・・・・・・・
だが、今までのスタンスで4作目まで作られたら正直飽きるが、ここに来てのこの設定は上手いと思う。前作同様デクラン・オブライエン監督だが、かなり思い入れが強く等シリーズを製作しているのだろうか。