「視聴後に逆算してみるとシナリオの妙を感じた」セル 昭和ヒヨコッコ砲さんの映画レビュー(感想・評価)
視聴後に逆算してみるとシナリオの妙を感じた
スティーブン・キング原作のミストに近いプロットで、どうしてもミストを思い起こしてしまいながら視聴。
携帯電話、とりわけスマートフォンが我々の生活の一部となり、その占有する領域の多さからこの映画の展開は背筋が冷えるものがある。
携帯電話嫌いのキングの嫌悪感が発端になった作品なのだとしたら、彼の携帯電話への忌々しさがこの映画には詰まっているのかもしれない。
導入からそう時間も立たないうちにパニックが起こり、テンポが良いどころか急速すぎる展開。
そんな中、主人公と彼と出会った仲間たちは実に的確に、時に冷徹になりながらも逃げおおせていく。
通れない道路も上手いこと生贄になるバイク乗りが来たり、
銃を取り揃えているお宅を発見したり、
ゾンビたちをとてもよく観測して分析して仮説を立てたり、
なんでも上手くいきすぎていてあまり緊張感がない。
途中途中であわや、という展開もあるのだけど、何となく用意されたものっぽいので緊張感には繋がらない。
観終わってみて、ラストのシーンから逆算した時に”なんで上手くいきすぎていたのか”が個人的には腑に落ちたのだけど、だからといって映画体験がめちゃくちゃ良くなるほどの効果は無かったかな…
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