ディアボリカルのレビュー・感想・評価
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自宅にて鑑賞。独特のテンポと嘗めるが如く滑らかに移動するカメラワーク。登場するクリーチャーはそれ程個性的でもないし、ゴア描写も殆ど目立たない。時間軸が異なる自分が自身を傷付ける等、タイムパラドックスをもろともしないが、移動先で凶暴になるのはそもそも何がしたかったのか。他にもA.ラーターの“マディソン”が無碍に助けを断ったりとよく判らない箇所があり、混乱を招きかねない構成にもやや難有り。タイトルも内容に則していない。ユニークなストーリーが魅力だが、恐らく総合的な評価は分かれるのではないか。60/100点。
・序盤に空撮を多く採り入れているのは大きな伏線だが、何度か写し出される家の全景の幾つかはミニチュア感丸出しで興醒めしてしまった。
・タイトルがタイトルだけに、M.ローズの“ジェイコブ”、A.グプタの“ニコライ(ニック)”、W.カルデロンの“ミゲル”、P.フィスクラーの“ハミルトン”等、役名にも名前に合った役割や意味が有るのかと勘繰ってしまった。
・久々に“マディソン”のA.ラーターを観る──この人はこのジャンルとの相性が良い。歌手としても活躍していると云う“ヘイリー”のC.ペリンが可愛かった。
・鑑賞日:2016年5月3日(火・憲法記念日)
突然の展開にびっくり
家に幽霊が何回も出てるのに母親のでもでもだってっで家からも引っ越さない、かと言って戦おうともしない…
しかし、恋人ニックが幽霊を目撃して協力を買って出てくれてから、急展開。
流れるように進んで終わったけど、結局ジェイコブじゃない他の囚人は誰なの?なんであんな全身ケロイドのが来るの?囚人送ってきてる機関は何の為に実験してるの?というか子供たちの外に出られない症状はなんだったの?
すべて明かされないままなので何だか腑に落ちない。
怪奇! 洗濯機から来た男!
あの……eiga.comさん、
今更ですけど『ディアボリカル』の特集記事、タイトルからして既にネタバレじゃないすか。
まあ日本版公式サイトが全力ネタバレというドイヒーな状況なのであまり強く言うのも悪いんだけど。
海外版ポスターでも『Evil is Timeless』というややネタバレなキャッチコピーは使われてるようだが、
こんな露骨なネタバレPRだと楽しみも半減である。
という訳で、幽霊でも悪魔でもなく未来から実験で転送されてきた人間が
怪異の正体という異色SFホラー『ディアボリカル』のレビュー。
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まずホラー映画なんで、怖いかどうかについて。
輪郭のぼんやりした男とか『ヘルレイザー』よろしく生皮剥がれたような這い擦り男とかが
床や天井や洗濯機の中からにゅる~っと出現して怖がらせるワケだが、
(そういや『タイムマシンはドラム式』って副題の映画あったね)
本作は全体的に、そんなに怖くない。
そういう匙(さじ)加減で作っているのか、それとも作り手のホラーに関するスキル不足なのかは不明だが、
Jホラー的な粘着質な演出においても、欧米ホラー的ないきなりビックリな演出においても
ドキッとさせる瞬間は少ないので、ホラーが苦手な人もよほど大丈夫だと思う。
ただ、『この怪異の正体そして目的はいったい?』と引き込まれるミステリアスな要素や、
暴力衝動を抑えられない息子、怪しげな不動産業者、謎の実験に関わっていた教師などの伏線が
続々提示されるので、最後までストーリーに引き込まれながら観る事ができた。
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まあ前述通りだいたいの怪異の正体は知らされているし(恨)、
謎が明らかになるに連れて面白みも薄れてしまうのが難点ではあるが、
それでもあの最後のどんでん返しはなかなかだったと個人的には思う。
主人公の息子ジェイコブが、母親が殺された事でカムセット社を恨んで暴力的になり、
犯罪者として収監されてからカムセット社の被験者として過去の我が家に送り込まれていた……
というメビウスの輪のようなオチ。
で、母親が死んでジェイコブは犯罪者まっしぐらかと思いきや、
(たぶん)未来の技術で回復した母親が
(たぶん)未来の人々に状況を訴えて過去に帰してもらい、
(たぶん)ジェイコブが犯罪者となる哀しい未来は妨げられた……
という(たぶん)ハッピーエンドで映画は終わる。
めでたし。
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だがこの映画は、その肝心の終盤ですんごいバタつく。
上記の結末ももう少し感動的になりそうなものだが、ジェイコブが怪異の正体だったり
瀕死の母親が未来に行って息子が泣いてたらその30秒後に帰ってきたりと
急展開がラストに詰まりすぎてて感動の前にポカン状態。
それにせっかくのクライマックスなのに、
白い服のハゲ男に家の中を追っかけ回されるシーンとか
床板にハマった人を2人がかりでフルボッコにするシーンとか
「それはひょっとしてギャグでやっているのか?」とクロマティ高校ばりのツッコミを入れたくなるのも難。
こっちの理解が追い付いていないだけかもしれないが、よく分からないまま終わってしまう謎もある。
・家に現れた被験者3体はみな同じ人物だったのか
・未来のジェイコブが我が家に送り込まれたのは単なる偶然だったのか
・被験者に触られた兄妹が発症したあの黒いカビみたいなのは結局何だったのか
・あの不動産業者のおじさん、結局何も知らずに土地買収を迫ってたんだろうか
とかとか。
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という訳で、オーソドックスな導入に見えて斬新な設定自体は良いのだが、
なはんか色々と混乱したまま終わってしまう感じのホラーでした。
ところで原題『Diabolical』は『悪魔のような』とか『極悪非道の』という意味だそうな。
もしかしてだが、大ヒットした『インシディアス』(狡猾な)みたいな印象を狙ったんだろうか?
これまた内容に対してしっくりこないタイトルなんだけど……。
<2015.09.06鑑賞>
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