「共白髪の恋。」アデライン、100年目の恋 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
共白髪の恋。
地元シネコンではロングラン上映となっている本作。
マダム好みのクラシカルなセンスに彩られた佳作で、
まさかB・ライヴリーに、こんな役作りができるとは。
彼女の人気番組をきちんと見ていたわけではないので、
この人がなんでこんなにブレイク(当時)しているのか
よく分からなかった。その後、幾つかの映画でお逢い
して^^;確かに綺麗だけどそこまでかぁ?といった風の
セクシー度しか感じなかった。で、今作で改めて久々
お逢いしたら確かにグンと成長しいい女になっていた。
(もうお子さんもいるのよね)
それに今作は100年以上生きているという(あり得ない)
設定をこなさねばならずどうなんだろう?と思いきや
まったく遜色なし。いや~v女の成長って凄いわねぇ。
しかし今作でより彼女の美貌や歳をとらない哀しみを
痛切に感じさせてくれるのが、娘役のE・バースティン。
母親の奇遇により、10年毎に家も名前も変えての生活。
やがて母親の年齢を(見た目で)越えた彼女は、自身の
要介護や、母親の祖母だと名乗る任務まで乗り越える。
こんな切ない運命ってあるかよ~と思わせる哀しみを
明るく演じるバースティンあっての母ブレイクなのだ。
自身の運命を年代毎の恋人や知人に背負わせたくない
一心でのアデラインの行動は、元恋人役ハリソン君や
その妻、そして現恋人の息子をも傷つけることになる。
幸せになるのは、非常に難しい選択になるのだが…。
幾つになっても綺麗でいられるという女性にとっての
願いを象徴した作品だが、本当の幸せは、共に白髪の…
という一節が何よりもモノを云うラストが素晴らしい。
(あんな辛い想いをしたのだから幸せにならなくちゃね)