「人生の大切なコトを、逆説的なストーリーで。」アデライン、100年目の恋 年間100本を劇場で観るシネオさんの映画レビュー(感想・評価)
人生の大切なコトを、逆説的なストーリーで。
今までも
映画で幾度となく描かれてきた、
不老不死や永遠の命。
しかしそれは
決して幸せなことではないかもしれない。
限られた人生を大切な人と全うする方が、
何より素敵なのだ。
そんな大きなテーマが、
上質なオトナのファンタジーで
しっとりと描いています。
まぁ不老になった理由と
最後のオチには笑っちゃうし、
お話もご都合主義ですよ。
けど主演のブレイク・ライヴリーの
繊細な演技で、
すっかり物語にのめり込んでしまいました。
ずっと29歳な彼女の、
様々な時代を生きる雰囲気つくりが秀悦。
いつも悲しそうで切ないんだけど、
頭が良くてやさしくて強い女性。
そんな主人公をリアルに演じていました。
ファッションやヘアスタイルを
見ているだけでも楽しめます。
まぁストーリーは淡々と進むから、
彼女が魅力的に見れないと、
中盤までは辛いかもしれません。
けど昔の彼氏である
ハリソンフォードが登場してからは、
結構ドキドキできます。
そこまでは、頑張って観ましょう(笑)
もちろんハリソン爺も、
さすがの存在感ですよ。
人生って輝いてた時代から、
だんだん老いを受け入れて、
確かに生きた時間を後悔せずに
死んでいきたい。
だから人は、今を精一杯生きているんだな。
そんなふだんは忘れかけている大切なことが、
逆説的なストーリーで、
積み上げられています。
そして終盤はじーんとして、
涙がほろり。
あぁ今宵も映画に、
思いがけずに素敵な時間を
いただきました。
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