劇場公開日 2015年4月11日

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「この監督にこの俳優!面白くないはずがない」マジック・イン・ムーンライト うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0この監督にこの俳優!面白くないはずがない

2024年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

エマ・ストーンとコリン・ファースのトリッキーなラブ・コメディ。
それだけで、興味津々の映画になるのですが、本作にはもう一つのフックがあります。

縦軸を二人の恋愛で語るものとするなら、横軸は二人のアイデンティティー、つまり正体が何者なのかというところです。

ストーリーの大きな関心ごとはエマ演じるところのソフィが本物のスピリチュアルかどうかということで、中盤まで実にていねいにぼかしてあります。
どちらとも言えないという描き方をしてあるのです。

そして混沌のまま二人の恋が発展して行き…という、ウディ・アレンらしからぬ(??)王道のラブ・コメとしてストーリーが進行し、そして

ここからはネタバレにならないギリギリの線で記入します。
便宜上、ストーリーの選択肢は2箇所で二つずつ、つまり4つのパターンが考えられるのですが、それは
a.彼女は本物のスピリチュアル
b.彼女はスピリチュアルを演じている詐欺師

そして、コリン・ファース演じるところの天才マジシャン、スタンリーが、彼女の正体をつきとめるという本来のミッションを成功に導けるのかと同時に
x.ソフィーと結ばれる
y.ソフィーとうまくいかない

この両方の関心をうまく引っ張りながら、お話が進行していき見終わったあとにはささやかな満足感も保証されています。

さあ、果たして彼女の正体は?

ソフィーを演じるエマ・ストーンは着実に良作でキャリアを積んできた実力派のコメディエンヌ。今がいちばんいい時ではないでしょうか。
かたやコリン・ファースはオスカー獲得後も順調に作品を選び、毎回上手に期待を裏切ってくれますが、役の幅を広げていきます。シリアスからコメディまで素晴らしいキャラクターを生み出していきます。
この二人が組んで、監督がウディ・アレン。

面白くないはずがない。

うそつきカモメ