「邦題の1600キロは、さして重要ではない」わたしに会うまでの1600キロ むかしのまっちさんの映画レビュー(感想・評価)
邦題の1600キロは、さして重要ではない
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ドラッグに溺れ、堕ちるところまで堕ちた人が自力で這い上がった稀有な例と言えるかもしれない。主人公・シェリルの記憶には常に母親の存在があり、母子のエピソードが随所に映像に差し込まれる。その何気ないカットのひとつひとつに、母子の絆が見えるのだ。同時に彼女の不遇の時代も写し、歩き続ける理由に説得力を与える。
旅の醍醐味である、善い人たちとの出会いがおもしろみを持って描かれています。
女ひとりに対し、得体の知れない男たちとの危険が潜む紙一重なシチュエーションも緊張感と共に。シェリルがハイカーとしてたくましくなっていく画もしっかりと。
どんなに辛くても常に明るく振る舞い、いいことだけをピックアップして前を向いて生きていく。母の教えに気付き、辿り着いた彼女にとっての旅のゴールが“神の橋”(Bridge of the Gods)である。そこに過度な演出はなく、決して感動的には描かれていませんが、シェリルの達成感に充ち満ちた表情がすべてを物語っているのです。良作。
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