劇場公開日 2015年8月28日

  • 予告編を見る

「主人公の思いを追体験した。」わたしに会うまでの1600キロ 月野沙漠さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5主人公の思いを追体験した。

2015年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

2015/09/01、TOHOシネマズ川崎で鑑賞。
父親の暴力が原因で離婚し、母と弟の3人で暮らす主人公にとって、精神的にも自立した強い母親が人生の軸だった。その母が若いうちに癌で亡くなったことや、ドラッグにはまりセックス依存症になって夫を裏切り、離婚することになったことなどからどん底に落ちていく。そんな過去の思いがPCT(パシフィック・クレスト・トレイル=メキシコ国境近くからカナダ国境近くまでのアメリカ西海岸を南北に縦走する道)を歩きながら交錯していく。母親の死以外は全て自業自得なので同情はできないが、本人もそれは心得ていて、なんとかこれまでの人生をリセットしようと1600km歩くことを決意する。
主人公はこれだけの冒険をするのに、携帯するコンロの燃料を間違えたり、そしてその使えないと知ったコンロを何処かへ蹴り飛ばしてしまったり、靴を崖から落としたりするところなどから結構短気で計画性も無いところが見受けられる。
そんな欠点の多い主人公だが、危険な目に合いそうになりながらも他人に頼らず初めての長旅を完遂しようとする姿は応援せずにいられない。また彼女の過去に起きた不幸や不運は、観ている自分にも似た体験を思い出させ、自分も一緒に旅をしているような気持ちにさせられた。
ただ、これだけ苦労したのに最後のゴールは以外にあっさり。観ていてゴールしたことにしばらく気が付かなかったwもうちょっと達成感溢れる演出でも良かったんじゃ?w

月野沙漠