「凍結温度、チューハイか!」シン・ゴジラ MAPLEさんの映画レビュー(感想・評価)
凍結温度、チューハイか!
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パニック映画としては、身近の街や乗り物のオンパレードで危機感を煽られるし、日本の組織風土をよく表していて、緊迫した状況での決断力やスピード感のなさという多くの日本人が日々やきもきさせられているであろう空気が実写化されていた。軍事的にも、日本が決断できない&しても威力があるものを持ってないから、結局アメリカのそれ良いの?!絶対人間相手に使わないでね!って兵器に頼る始末。
災害や放射能問題に脅かされる日本に、首都圏で何か起こったらこうなるよという警告の意味もあるのか、作品の目的がとても気になる。
犠牲者が相当数出ているに違いないが、国民目線はなしで、全てが官僚目線で進み、最終的には被害の規模からしてライフラインや道路が断たれているはずなのに、化学品を予定通りかき集めて血液凝固剤を製造して納品して作業車に積んでゴジラに押しかけてって、製造流通ともに、人材的にも道的にもできるはずがないよなぁ〜という展開。
ただ、一本筋の通った長谷川博己の役は良かった。ランドゥー。竹野内豊の考え方もわからなくはないし、ちょっとイラっとさせられる石原さとみも印象に残った。
自衛隊の戦車やヘリ、鉄道、働く車が満載で、乗り物好きはかなり楽しめるはず。
見慣れたゴジラの顔になるまでが長くて、変な魚類みたいな顔のゴジラの得体の知れなさが怖かった。火炎放射がレーザービームみたいなところも、現代の恐怖を助長させる。ゴジラの凍結温度が意外と高くて、凍結粉砕のチューハイを彷彿とさせる。
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