「ゴジラに見立てたもの」シン・ゴジラ kicks1126さんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラに見立てたもの
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とても楽しめた。
3.11後のゴジラという評もあるが、それはその通り。と同時に“戦後”も射程に入った作品となっている。
“戦後”も“災後”もかわらず日本は日本という姿がこれでもかと見せつけてくれる。だから面白い。
面白いのはそのバランス感覚だ。
作品からは決断にプロセスばかりが降りかかり混乱する政治の姿が見える。これはあたかも憲法に緊急事態条項を入れよという主張にも見える。しかし、そんなもの無くても対処してしまった国家の強さもこれまた描かれている。決してプロパガンダ映画ではない。
日米安保に依らざるを得ない“戦後”日本の姿はもはや常識なのか?アメリカの属国ぶりの描き方も見事だ。
しかし、その属国が絶妙な交渉で多国籍軍の核攻撃から東京を守るしたたかさも描かれている。
頭を下げる総理代理役の平泉成の姿は日本の情けなさを表層とした強さと狡猾さを表現していて震えた。素晴らしい。
ゴジラのことはよくわからない。オタクには勝てないので何の評論も出来ない。ただ、見たことがないゴジラへの攻撃のシーンには思わず「おー!」と声が出た。すごかった。
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