「鎮魂のモニュメント」シン・ゴジラ analanalyserさんの映画レビュー(感想・評価)
鎮魂のモニュメント
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偶然にも8月6日に鑑賞。感慨深い。
無惨に殺された被爆者たちの怨霊に対して、今生きているものたちがどう折り合いをつけられるか、という話かと。
マキ教授がその怨念と自らの身体を投じて起動させたゴジラを、生者はそれがいったい何なのか全く理解できず、初めは武力攻撃により殺す、あるいは追い払う、ということしか考えられない。臭いモノにはフタである。だが2度目の出現くらいからはそれが核と核の犠牲者の怒りに関するものであることが徐々に明らかになり、それを悟った者たちのゴジラへの対処方法は単なる破壊ではなく、血液凝固剤による活動停止を狙ったものとなる。ゴジラは最終的に屹立した姿で固まる、しかも皇居で。その尾には被爆者たちの凄惨な姿が。東京のど真ん中にそびえ立つ鎮魂のモニュメント。これを真ん中に戴き、東京の復興が始まる。
宮沢賢治の『春と修羅』も読んでみたい。あと『この空の花』の影響がかなりあるんじゃないかと。
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