「まさに現代のゴジラ」シン・ゴジラ じゅんさんの映画レビュー(感想・評価)
まさに現代のゴジラ
クリックして本文を読む
「良い意味で裏切られた」という評判を良く聞いた今作。
ゴジラだけど怪獣映画ではなかった!という意味で納得しました。
ゴジラはまるで日本に襲いかかる大災害のように扱われています。
パニックホラーのようなところもあるし、サスペンスのように展開する場面もあるけど、怪獣同士の派手な戦闘シーンはありません。
なので大人は楽しめるけど子供たちは面白く観れるかはわかりません。
それでも、世代に関わらず観て損はないと断言できます。
ゴジラ出現に対応する日本政府の様子を見て、なんとなく「タイムリーだな」と思いました。
現代は世界的に不安定な時期にあり、さらに大震災などの大災害に脅かされる日々が続いている事実があります。
有事の際に日本はどう対処できるのか、どうするべきなのか。
自衛隊はどうあるべき?運用する際の法的問題は?
フィクションでありながら一定のリアリティを見せる今作では、そんな現実世界にある事象に対しての、明確な問題提示がなされている気がしたのです。
それらの見せ方を含め、今の時代背景に照らし合わせてみたなら、個人的にはこの作品を高く評価せざるを得ません。
もっともっとたくさんの日本人が観て、そして考えたり議論したりできたら素晴らしいですね。
物語としては、ゴジラの分裂した細胞などは残されたままなので、これが新たな火種になることは確実。
そうして全ての事が片付くわけでもなく幕を引くわけですが、制作意図に現実世界の未来へ向けての問題提起を含むのなら、「俺たちの戦いはこれからだ!」ENDがこれ以上ふさわしい映画はないでしょう。
コメントする