劇場公開日 2015年8月7日

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「予備知識は必須。完全ファン向けの新章作。」BORUTO NARUTO THE MOVIE 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5予備知識は必須。完全ファン向けの新章作。

2015年8月18日
PCから投稿

泣ける

楽しい

興奮

【賛否両論チェック】
賛:こじれてしまった親子の絆の修復に、胸を打たれる。道具の進歩に頼り、労せずして力を得ようとする人間への警鐘もあるか。
否:何らかの事前知識がないと、なんとなくよく分からないまま終わってしまう。展開そのものもかなりの荒唐無稽か。

 最初は心が通わず、父を忌み嫌っていたボルトが、様々な経験を通して少しずつ成長し、次第に父親への考え方が変わっていく様が印象的です。そして最大の脅威が迫った時、父は必死に息子を守ろうとし、息子もまた懸命に父の力になろうとする姿に、感動を覚えます。

 また本作では、修行をせずして技を得ようとしたボルトが、科学忍具班の道具に頼ってしまったり、〝丹”という薬を飲むだけで強くなれるモモシキが暴走していったりといった描写が登場します。科学の進歩により、苦労をせずに能力や便利を得ようとする昨今の人類への警鐘的な意味合いも、それとなく描かれています。

 スケールも大きくて見事ですが、とはいえコミックの映画化なので、何らかの前知識がないと、あまり楽しめないのもまた事実。シリーズを知るファン向けの作品です。

映画コーディネーター・門倉カド