「本作が決定的にダメな訳」映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃 harukitaさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5本作が決定的にダメな訳

2015年5月11日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

私は『クレしんシリーズ』を全て観ている訳ではないが、今まで観てきた『クレしんシリーズ』は、映画として常に一定以上のクオリティがあり、子供も大人も安心して楽しめるシリーズと言うイメージを持っていました。
実際、子供と安心して観られたし、過去には傑作も作り出してきているシリーズです。
そんな『クレしんシリーズ』に於いて本作のディテールの甘さは、残念を通り越して今後が心配になるレベルにまで行っちゃってる気がします。

まず冒頭の野原家が引越する場面で、引越専門業者が作業をしている室内の養生テープの貼り方があり得ないほどお粗末で、(街で引越作業をしている業者をリサーチすれば直ぐに分かると思うが、ああいう貼り方もテープの色も絶対にない)この場面を観て私は作り手たちのディテールの甘さを感じ、とても不安な気持ちになった。

まだこのあたりはリサーチ不足として許せる範囲かも知れないが、本作はこの先決定的にダメなシーンが待っていた。
(細かいことを言っていると思われるかもしれないが、子供たちが観る人気シリーズだからこそディテールにはこだわってもらいたいと思うのだ。)

それは父親ヒロシとしんちゃんが無人のスーパーにひまわりのミルクとオムツを危険が迫る中、買いに走る場面だ。
いくら非常時とは言えカート一杯に詰め込んだ日用品をお金を払わず持ち出すのはさずがに如何なものか?
この時点で私は子供と観に来たことを悔いた。
世間ではそれを火事場泥棒と呼ぶのではないか?
意識の低い作り手たちは、人気シリーズ『クレヨンしんちゃん』の主人公家族を犯罪者にしてしまったのだ。
少し考えれば、いくらでも回避できたはずである。
無人のレジにヒロシがいくらか置いてくる。そんなシーンを挟むだけで良かったはずだ。

他にもツッコミどころは多々あるのだが、野原家を犯罪者にしてしまった時点で終わりである。
人気シリーズだけに反省して貰いたいものである。

うるさいことを言わせて貰ったが、これが私なりの率直な感想であり、『クレヨンしんちゃん』と言う映画を今まで評価してきたからこそ思うことである。

harukita