バケモノの子のレビュー・感想・評価
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劇団四季に期待!
そんなに細田作品は見てない。テレビ放送でもあまり…。が、劇団四季がミュージカルにすると聞いて、興味がわいた。
父と子の絆を描いたというのはわかった。ただ、九太の本当の父も出てくるし、実の父よりも熊徹と強い結びつきがある感じはしなかったなー。それなら一郎彦が猪王山を慕う方が、よほど説得力があった。
絵もきれいだし、声の演技はみなさん素晴らしいので、やはり脚本が難ありなのかな。あと、製作するにあたってお金は必要なので、スポンサーは必須だけど、金も出すが口も出してたのではと想像する。この俳優を押さえたから、もっとこの役を出せとか、エピソードを追加しろとかの無茶振り。劇団四季に作品化の権利を与えたのなら、ミュージカルにする時に独自の改変は許して欲しい。ぜひ、物語を整理して、シンプルに九太と熊徹にフォーカスした作品になるとよいと思う。
人間の闇
独立してからの細田監督。若者向けに作られた『時をかける少女』と『サマーウォーズ』は好きだけど、その他は好きになれない。誰のために作られたかと考えると、やはり対象年齢が下がってきているとしか思えない。
バケモノの世界と人間世界。人間を見下していたり、“闇”を宿して混乱を招くといった渋天街の常識を宗師ならば変えられるという設定は面白いのに、終わってみると単なる親子愛という平凡なメッセージに変化していたように思う。蓮という名前を持ちながら、熊徹につけられた「九太」という名前を甘んじて受ける。小学生とはいえ、彼のアイデンティティは一体どこへ・・・
渋谷のモブシーンは丁寧な作りでダイナミクスを感じるし、9歳の少年にして喪失感や高みを目指す反抗心には胸打たれたのだが、バケモノたちが可愛いためだろうか、異世界の恐怖も全くない。あ、やっぱり子供向け。ただ、そこから西遊記みたいなメンバーでの修行の旅で多くの賢者たちに会ったり、ジャッキー・チェンを思わせるような修行の日々がまた良かったりする。人間世界の描き方が素晴らしかったため、可愛いバケモノとのギャップが残念でならない。
関係ない話ですが、金沢市には富山県南砺市との県境に医王山(いおうぜん、標高939m)という山があります。細田監督も富山出身なので知ってるはずで、熊徹のライバルとなる猪王山(いおうぜん)の名前もここからなんだろうな~。
少し詰め込み過ぎ
母親の死がきっかけで家出をした少年が、異世界でバケモノの弟子となり修業に励み、成長する物語。
「少年の成長譚」、「青春の苦悩」、「親子と師弟愛」、「恋愛」、そして「人間の性」。そんなことを描いた作品だと受け止めましたが、少々詰め込み過ぎに感じ、何を見せらているのか分からなくなりました。
また、人間社会に戻ってからの展開がご都合主義に感じられ、戸惑いを覚えます。
声優については、序盤は良かったのですが、後半の染谷将太と広瀬すずが出てくると拙さが感じられ、興を削がれます。
ビジュアルは美しく丁寧で、動きも迫力があるものでしたが、映画として観た場合には評価し難い作品に感じられ、評価はやや厳しめです。
きちんと育ってもヒトは孤独
キネマ旬報で星4か5は甘いが評者上島春彦 氏の、細田守の描く世界には元々「きちんと育ってもヒトは孤独」という感覚が流れている、との評は支持。
千と千尋に果敢に挑むも、何処か撮る動機と新味に欠ける。
うーーむ、これは微妙。。
「安心して観られる凡作」ってタイトルでレビュー書いてる方がいますが、まさにその言葉がぴったりな作品。
正直、観終わった後であまり感情を動かされることが無かった。。
細田映画観たのは、ONE PIECEのオマツリ男爵が初めだったけど、何か段々と尖ったところが無くなって、ドラえもん的な大衆映画になってきてるように思える。前回のおおかみこどもは好きだったけど。
何だろう・・キャラクターに感情移入できないからかしら?少なくとも、この作品はもう1回観たいと思わない。
当たり前の感想過ぎて恐縮ですが、子供が観るには良い映画だと思います。
たくさんの愛に溢れた作品
前作「おおかみこども」から三年でしょうか?偶然なのか今回もケモノがテーマの作品となりました。
予告で観た限り不安というか微妙なところはミスチルだけだったので、これまた楽しい足取りで劇場に向かいました。
作品は冒頭から力の入りようが伺え、とても豪華な絵面。
目まぐるしい主人公の目線は細かく描かれていて、特に狭く低い子供の視点は見事でした。
大人の足元をかいくぐるカメラワークなどは、スコセッシの「ヒューゴ」を彷彿とさせます。 また色彩も豊かでそんな処もわくわくさせられるんでしょう。
細田監督はキャスティングも上手く、役者起用の作品の中でもあまり違和感を感じません。
役所広司は素晴らしいですし、大泉洋も安定です。 そんな中リリーフランキーが少し不安だったのですが、これがまた想像以上にうまく、なんと味わい深い演技をするのだろうと関心しきりでした。
実写での彼の演技の幅は知っていたのですが、新たな一面を知るきっかけとなりました。
さてこの作品、前半こそファンタジーテイストの話なのですが、後半から大きく転調します。
何しろ話のペースが緩やかな前半と比べ一気に変わるのですから、観ていて戸惑う人もいたと思います。
もともと作中に小さな伏線をいくつも差し込んでくる監督でしたが、この後半パートではかなりの物量が詰め込まれていたと思います。
そんな物語はどんどんスピードを増していくのですが、ふとぽろっと出てくるセリフにも結構重要なキーがあったりと、観ていて緊張感があります。
そうして最後の対決シーンでその速度はついにピークを迎えます。
この後半から徐々に上り詰める感じが、本当にうまくできていたと思いますね。
ただ、この後半パートあまりに要素を詰め込んだような感じは残り、脚本が少し粗く見えちゃった感じではありました。
また個人的にですが、今回の作品は随所に「ポスト宮崎駿」のプレッシャーのような物も感じ取れました。
そういった演出が結構目立っていた気がしたんですよね。
とはいえ、これだけ壮大なエンターテイメント大作を作り上げたのだから凄いものです。
そんな転換期をも思わせるこの作品、次作で監督がどう化けるかとても楽しみになりました。 少し寂しかったり、少しうれしかったり、そんなたくさんの愛に溢れた作品でしたよ。
【人間界”渋谷”とバケモノ界”渋天街”のパラレルワールドが魅力的に描かれる。九太が熊徹との交流を通じて成長する姿も眩しい作品。】
この世で、バケモノ熊徹(声:役所広司)と偶然出会った少年(声:宮崎あおい)が強さを求め、異界へ旅立つ決意をし熊徹の弟子、九太として成長していく。
いがみ合っていた二人が、お互いに不思議な絆を感じ始め・・。
成長した九太(声:染谷将太)は、この世で高校生少女楓(声:広瀬すず)に出会い、新しい価値観を学んでいく・・。
世界観が独創的であり、実に魅力的。
尚且つストーリーの根幹は少年の成長物語であり、(ちょっと風変わりな)親子の絆を描いている王道テーマの作品。
異界で登場する
・百秋坊(声:リリー・フランキー 見た目もリリーさんに似ていると思ったのは私だけかな?)
・多々良(声:大泉洋 このキャラクターも大泉さんとマッチ)
・チコ(声:諸星すみれ)
・宗師(声:津川正彦)
・一郎彦、二郎彦兄弟と父、猪王山
も実に魅力的である。
そして、猪王山と熊徹との手に汗握る決戦。
近年の邦画アニメーションの中でも秀作の部類に入る作品であると思う。
<2015年7月11日 劇場にて鑑賞>
薄口な映画
人の成長物語は結構好きな方なのになぜこの映画はしっくりこないのだろうかと考えた。
放映時間の問題との結論に至った。
朝ドラや、渡鬼、NARUTO、キャプ翼 等は、
長い時間をかけて成長を見守れるから感情移入できるのであって、
2時間の映画でそれを見せられても、
時の流れに観る側がついていけなくてグッと来ないのは当然なのだろうと思った。
数秒で子供から大人になられても「がんばったね~大きくなったね~」とはならないですよね。
この物語が2クールくらいの連続アニメならもっと感動できたのかも。
ただ、ほんの数日を描いた「時をかける少女」や「サマーウォーズ」を生み出した細田さんなら、
そんなことくらいわかってるはずで、
これは「おおかみこどもの雨と雪」に続く挑戦だったのかな?
と思うと、そのチャレンジ精神には感服いたします。
ただそれでも、脚本が好みでなかった。
急すぎる展開、悪役の軽い扱い、潔くない物語進行
「時をかける少女」のような儚さや、
「サマーウォーズ」のような温かさが好きな私にとっては、
あれもこれも欲張って拾って結果全部薄口だけど皆ハッピー的な展開は少し残念でした。
外さない細田作品
前半は少年漫画の格闘系な感じで、
「ジャンプ」にでも掲載されてそうなファンタジー。
正直ノレなかった。
後半(蓮が17歳になってから)は、
蓮が再び人間界に戻ったり、
(この行き来の自由さも若干違和感残る)
楓や実父との交流で、
人間界での「空白」を埋めていくところは青春そのもの。
育ての親(熊徹)と実の親で葛藤する蓮が、
実の親にぶつける言葉と、
その後熊徹を応援する蓮が泣かせます。
この前後半で全く味付けの違う作品に出来る
「細田クオリティ」は流石だ。
ラストの戦いも、その映像美がすごい。
(あのクジラ見て、「ライフオブパイ」を想い出した!)
良い映画だとは思うし、前作・過去作とも味付けは違う。
過去作もファンタジー要素は多く、
それでも心を震わす話に持っていってはくれる、
実はみんな抱えている心の一端だと気づかせてくれる細田作品。
でも比較すると前作の方が好み。
最終的に蓮は全部手に入れちゃうし。
声優は、相変わらずの宮崎あおいの天才ぶりと、
津川雅彦の本職顔負けな堂々感、
役所広司のそのまんま感。ここまでは良い。
あとは少しノイズだな。
染谷・広瀬は働きすぎ。
熊徹に刀が刺さる直前までめちゃめちゃ良い。人間界と行き来するだけに...
熊徹に刀が刺さる直前までめちゃめちゃ良い。人間界と行き来するだけにして境界も曖昧な感じのまま終わった方が良かったんじゃないのかと思う、人間界そんなに描写しなくても、修行だけでもすごい面白かった。
教えることは教わることだし、熊徹が変わっていくことだけでもじゃうぶん素敵な物語。高卒認定試験とか言い出さなくてもな、と思った。
胸の中の洞窟に棲みつく魔物との展開から、おかしくなってくきて最後は普通になってしまった。ヒロインも終盤の方は??ってなる。残らないラスト。
悪くない
終盤が分かりにくいかもだけど、若者が自立した青年に成長する映画としてみよう。
いきなり、「白鯨」から始まる不思議さが、戦いと成長、こういう形で活かされるとはなかなかのなるほどでした。
「おおかみこどもの雨と雪」の続編かと思ってたら違った。勝手に雨が「...
「おおかみこどもの雨と雪」の続編かと思ってたら違った。勝手に雨が「狼男」として生きるのか「狼」として生きるのか葛藤する話かと思ってた。
途中出てきた「白鯨」がなんの意味があるのかと思ってたら、そうなるか!そうきたか!ってちょっとワクワクした。鯨綺麗だった。
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