「着地(結末)の失敗」バケモノの子 りょうっち。さんの映画レビュー(感想・評価)
着地(結末)の失敗
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「なぜ九太が逃亡に至るまで親戚を憎んでいたのか」など
若干の違和感はあるものの、青年になるまでの修行シーンまではとてもテンポ良く展開し、今後のストーリーの期待感でワクワクした。また熊鉄を含む渋天街のキャラクター達はどこか愛らしさを感じ、このような世界観を創造した発想力は常人を超えていると思う。
しかし、多くの人の作品への期待感か、納期の問題か、何がそうさせたのか理由はわからないが、中盤~結末へのストーリー構成に焦り(雑さ)を感じた。
まず、一郎彦との決闘の動機が甘く、良くわからない。
次に決闘時の一郎彦の目の書き方。
また渋谷の決闘で既に大きな被害がでているにも関わらず、「どういう訳か九太と楓が乗る地下鉄だけ?が平常運行している」点や「拾った本を読んだだけですぐにクジラに姿を変える一郎彦」
(そもそも何故九太の本を拾って読んだのか)伏線が甘く読み取れず、多くの人は「なぜクジラ??」という違和感を感じるだろう。
前作「サマーウォーズ」や「おおかみこども~」はそのような点はみられず伝説的な完成度だったが、今回はそこが残念な点だった。
むしろ、もっとストーリーをシンプルに、熊鉄との師弟対決にした方が良かったのでは…。
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