「つまんない」バケモノの子 おだちんさんの映画レビュー(感想・評価)
つまんない
ストーリーがダメですね。
伏線かな?と思ったものが殆ど回収されないまま終わってしまいました。
序盤の名人を巡る旅は不要。
心の闇の部分、説明不足で誰にも感情移入できない。なんで一郎彦がクジラになるの?
実の父親のストーリー上の存在意義は?
ヒロインは単なる賑やかし?
強くなりたい、と、勉強したい、それが結局ストーリー上どう結実したの?
人間界とバケモノ界のパラレルワールド度合いも最後にとって付けたように描かれただけ。
これが、あの見事なカタルシスを描いた「サマーウォーズ」と同じ監督とは思えない。
声優陣も満足いくものではありませんでした。
役所さんと大泉さん以外の、有名俳優かつ素人声優さんは退場して欲しかった。
フツーの優秀な声優さんがたくさん居るのに、、、
穿った見方だけど、ジブリなき後、大スポンサーの期待と資本を投下されて、ストーリーやら配役やらにガンガン口出しされてどうにもまとまらないまんま、とりあえずなんとか夏休み公開に間に合わせた、みたいな事情があったりして、、、
それでもまぁ、とにかく観に行っただけで感動決定、みたいな思考停止な観客のお陰で、この作品まではそこそこ入るでしょうから、その潤った資金で次こそは傑作を作って下さいね、製作陣のみなさん。
「星を追う子供」でコケて「言の葉の庭」で復活した新海誠さんみたいに。
僕もおだちんさんと意見は同じだと思います。
確かに白鯨はいきなり出てきた感じですよね。
話の整合性はあると思いますが、必然性は過去のものより劣っているとは思います。
って解説を書いて頂くまでもなく、絶妙のさじ加減で腑に落ちる脚本に仕上げていたのがこれまでの細田作品だったと思います。
ヒントがたくさん散りばめられているのは分かりますよ。でもちゃんと活用されないならむしろ邪魔。ストーリーへの結合が弱いから納得感がないし、共感できなかったのです。
白鯨などはその最たるもの。
一郎彦が鯨になるのは、劇中で白鯨について述べてた部分でヒントがありますよ。鯨とは敵であり自分自身でもあるという部分。
あれは自分自身との戦いでもあるという暗喩です。
心の闇は単純に他人への憎しみや、自分勝手な気持ちを表している。思春期の反抗期みたいな。
実の父親との和解は、それへの克服を意味してる。
楓は新たな世界に連れて行ってくれる人。
熊徹の心の刃?となって、彼に困難から逃げずに立ち向かう心を与え、大学受験などこれからくる困難を克服していけるようになったのが、ラストのあれ。